
電話が繋がらない!大規模通信障害が起こる際の対処法
2022年7月にKDDI、2021年10月にはドコモで通信障害が起こりました。
KDDIの通信障害は完全復旧までに約86時間と大規模なものとなってしまい、個人・法人の携帯電話はもちろん、IoTで繋がっている銀行ATMなどにも影響をもたらしています。
そもそもなぜ通信障害が起こってしまうのか、障害が起きてしまった時はどうしたらいいのか。
今後また起きてしまうかもしれない通信障害であわてない様に、原因と対処法を紹介します。
万が一の状態から身を守るため、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも通信障害が起こる理由とは
通信障害が起こる主な理由は、大量のデータ信号が送られ、輻輳(ふくそう)が生じることで、パンク状態となってしまうこと。
接続要求に耐えきれなくなり、長期間の通信障害になることが原因です。
直近の通信障害ですと、2022年7月2日01時35分から発生した、KDDIの大規模通信障害。
2022年7月5日15時36分に完全復旧するまで、約86時間も音声通話やデータ通信ができないという状態が続きました。
KDDIの通信障害は、「VoLTE交換機のトラヒックの輻輳(ふくそう)が生じた」ことによるものだと発表されています。
過去にはドコモで、2021年10月14日から2021年10月15日までの約29時間の通信障害が発生しています。
ドコモの通信障害の原因はIoT位置情報サーバーの切り替え時の不具合でした。
ソフトバンクでは、2018年12月6日午後から約4時間半の通信障害が起こっています。
こちらは、エリクソン社製パケット交換機全台数で、同社ソフトウエアに異常が発生したためとされています。
トラヒックの輻輳(ふくそう)とは
輻輳(ふくそう)とは、1箇所にアクセスなどの物が集中してしまうことを表します。
普段では考えられないアクセスが集中することで、通信の低下を招き、最悪の場合に通信障害になってしまうというものです。
身近な例ですと、「iPhoneの発売日にApple社のホームページになかなかアクセスできない」という様なもの。
輻輳(ふくそう)が抑えきれないと、今回の様なネットワーク異常を招きます。
輻輳(電話):参考イメージ
出典:ドコモビジネス
救急や緊急時に電話が繋がらない場合
緊急時に電波障害が起こっていて、連絡が取れないという場合、まずWi-Fiに接続してみて下さい。
Wi-Fiに接続さえできれば、救急車や消防、どうしても連絡をしないといけない固定電話などに連絡を取ることができます。
Wi-Fiに接続
ご自宅や職場、カフェなどのフリーWi-Fiに繋げることができれば、データ通信はできます。
通話はできませんが、ひとまずLINEを利用すれば、連絡を取ることができるようになります。
LINE Out Freeを使う
LINE Out Freeとは、発信前に15秒間の広告を見ることで、スマホを始め、固定電話や携帯電話に無料通話ができるサービスです。
携帯電話宛なら2分、固定電話宛てなら3分まで通話ができ、1日5回まで使用できます。
ただしLINE Out Freeでは、警察・消防・救急への発信はできません。
LINE Out Freeの使い方は以下の通りです。
①まずLINEを開き、ホームの中にあるサービス一覧よりLINE Out Freeを探します。
②利用規約に同意すると、以下の画面が出てきます。
通常の電話同様に発信すればOKです。
出典:LINE
Net119緊急通報システムを使う
Net119サービスは、聴覚・言語障がいがある方が利用できる緊急通報サービスです。
事前登録が必要ですが、チャット形式で消防や救急と連絡が取れます。
さらに、事前に登録した自宅情報やGPSを用いた現在地取得の上で、現場に急行してくれます。
出典:総務省消防庁
また余裕があれば、以下の2点も試してみましょう。
機内モードON/OFF
飛行機に乗る時に使う、機内モードのON/OFFを試してみて下さい。
iPhoneの方も、アンドロイドの方も飛行機のマークが目印です。
大体どのスマホも、設定→ネットワーク→機内モードの順をたどればON/OFFができます。
出典:Apple、シャープ
電源ON/OFF
出典:シャープ
スマホやガラケー、Wi-Fiルーターなど電源が切れるものは一旦ON/OFFを試してみましょう。
一時的な障害であれば、改善する場合があります。
デュアルSIMで通信障害を回避する
通信障害は起こって欲しくないのですが、回避する方法は「違う通信会社で2つ番号を持つこと」しかないです。
2つ番号を持つと、スマホを2台持たないといけないと思う方が多いですが、デュアルSIM対応機種であれば、1つのスマホで2番号の切り替えができます。
iPhoneですとXSシリーズ以降、Androidは機種によりますが、最新のものだとかなり対応機種が増えています。
例えば、メインの番号(いつも使っている電話番号)をドコモで契約しているとしたら、サブ番号はauやソフトバンク系の回線を契約。
今回の様に、1つの番号が通信障害で繋がらなくても、サブ回線で通話やデータ通信ができるのでリスクヘッジできます。
iPhoneでデュアルSIMを設定した場合、以下の様に2つの電波がスタンバイしているのがわかりますね。
出典:Apple
iPhoneのデュアルSIM設定方法は、以下を参考にしてみて下さい。
AndroidでデュアルSIMをしたい方、デュアルSIMについてもっと詳しく知りたい方はこちら。
ショップに問い合わせ・来店しても対応できない
残念ながら、通信障害が起こった時に携帯ショップに来店しても、何も対処できません。
突然通話・データ通信ができなくなり、不安になったり困ってしまう気持ちはわかります。
しかし、携帯ショップでも「通信障害が起こっている」という事実を伝えることしかできません。
障害が起こっているときには、多くの方が携帯ショップに訪れるので混雑します。
混雑する中、何もできないと言われるだけなので、正直来店するだけ無駄足を踏むことになります。
復旧するまで待ち、改善したら携帯電話の電源をON/OFFにすれば大抵改善します。
まとめ
今回は、通信障害が起きてしまう理由と、障害が起きてしまった時の対処法を紹介してきました。
通信障害は起きて欲しくないですが、どの携帯会社でも起こり得るものです。
【通信障害に今から準備できること】
- Wi-Fiを引く
- デュアルSIMを使える様に設定
- 機内モード・電源ON/OFFのやり方を確認
- LINE Out Freeの使い方を確認
今回の様な急な通信障害になった時にあわてない様に、事前に準備できることはしておきましょう。