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LG VELVET L-52Aの隠れ機能 ~ 実は「ペン付き2画面スマホ」として使える!

日本では2020年12月18日にドコモから発売されたばかりの「LG VELVET L-52A」。デザインにこだわり、専用ケースによる2画面化やASMR録音などのユニークな機能を備えたフラッグシップモデルです。

実はWacom AES方式のスタイラスペンが使える!

そんなLG VELVETですが、海外版では主要機能のひとつとしてアピールされているのに、日本版ではなぜか公式サイトで一切言及されていない隠れ機能があります。実は、Wacom AES方式のスタイラスペンが使えるのです。

不自然なほど隠されているので、発売前は「まさか日本版では省略されているのかな?」とつい疑ってしまいましたが、実際に製品を購入して設定メニューを確認してみると、しっかりとペン関連の設定項目が残っていました。

なぜこの機能をアピールしていないのかは不明ですが、どうも日本版でも普通に使えそうな雰囲気。それなら、と試しに手持ちの「Bamboo Ink」(本家本元のWacomが発売しているAES 1.0方式のスタイラスペン)で画面に触れてみると、あっさり「ようこそ!」とペン機能のウェルカム画面が表示されました。

プリインストールされている手書きメモアプリ「Qメモ+」で動作を確認してみます。筆記、筆圧検知といった基本動作はもちろん、ペンの側面にある2つのボタンも問題なく利用できます。ボタンの動作は設定画面で変更でき、「Pen Pop」というペン関連機能のランチャーを呼び出したり、指定したアプリを起動したりできます。

2画面×ペン対応の機種は珍しい

Galaxy Note 10+とSペン

Galaxy Noteシリーズの「Sペン」やiPadの「Apple Pencil」など、(静電容量式以外のちゃんとした)スタイラスペンに対応していることはそれなりに大きなアピールポイントのはずです。こんな目玉機能が埋もれているのは理解しがたいところですが、機能自体を塞いでいるわけではないあたり、意図的な“隠し機能”というよりは“隠れ機能”という印象を受けます。

ただ単に「筆圧検知が可能なスタイラスペンに対応したスマートフォン」というだけであれば、端末内にペンを収納できるGalaxy Noteシリーズなどの方が洗練されていますし、武器にならないという判断もあり得るかもしれません。

しかし、冒頭でも触れた通り、LG VELVETは専用ケースを装着することで2画面端末としても使える特殊なスマートフォンです。そして、なんと本体側のディスプレイだけでなく、ケース側のディスプレイでもWacomペンを使えます

2画面×ペン対応のAndroid端末なんて、Surface Duoぐらいしか無いんですよ。ちゃんと機能をアピールしてペンも付属させれば、Surface Duoの上陸を待ち望んでいる人はおろか、まだ存在しないフォルダブル×ペン対応端末の登場に期待している人すら取り込めるかもしれないわけです。

そんなポテンシャルを秘めていながら、その機能を知るのは「海外版の情報まで追っているガチ勢」か「設定メニューを隅々まで見るタイプの人」ぐらいなわけで、本当に売り方がもったいない機種ですよね。

余談ですが、VELVETの前にLGが出していた2画面端末「V60 ThinQ」も同様に、日本ではなぜかペン対応をアピールしない奇怪な方針でした。しかし、V60 ThinQの場合は初回特典としてペンを付属させた実績がありました。VELVETの場合は完全にスルーされています。

どんなペンを買えばいい?

LG gram(14T90N)

海外版のLG VELVETでは、同じLG製のWindowsノートPC「LG gram」シリーズの2-in-1モデルに付属するペンを使うように推奨されています(それはそれでユーザー層が限られすぎでどうかと思いますが……)。

日本でもgramの14インチ2-in-1モデルなどを購入すればそのペンが手に入りますが、単品販売はしていないので入手難易度は高めです。

ただ、今回私が使ってみたBamboo Inkのように、Wacom AES方式のペンであれば基本的に使えます。PC用のスタイラスペンにこの方式を採用しているメーカーは多く、例えばDELLのXPSシリーズ用のペンなどもWacom AESです。

ただ、メーカーごとの独自実装などで相性の問題などがないとは言い切れませんし、「ちょうどAESペンのノートPCを持ってるよ!」という人以外は本家のWacom製を買っておけば間違いないでしょう。

AES 1.0と2.0って何が違うの?

少し詳しい人ならご存知かと思いますが、一口にWacom AESと言っても「AES 1.0」と「AES 2.0」というバージョンの違いがあります。

LG VELVETはWacom AES 2.0対応ですが、この規格は後方互換があり、AES 1.0のペンも使えます。実際、今回の記事で使ったBamboo InkもAES 1.0です。

AES 1.0と2.0の違いは傾き検知の有無ぐらいなので、細かいイラストを描く人などを除けば、メモ書き程度ならAES 1.0でも不自由なく使えるでしょう。

ちなみに、Wacom本家のラインナップでいえば、「Bamboo Ink」がAES 1.0、「Bamboo Ink Plus」がAES 2.0に対応しています。AES 2.0のペンよりはAES 1.0のペンの方が比較的安い傾向にあるので、予算に応じて選べば良いかと思います。

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