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同じ機種を3台買ったバカが語る「LG VELVET L-52A」の魅力

NTTドコモから2020年12月18日に発売されたAndroidスマートフォン「LG VELVET L-52A」を購入しました。個人的には、日本発売前から海外版を愛用しており、とても思い入れのある機種です。


当然発売日に買ってはいたのですが、なかなか手が回らず……お堅いレビューは海外版でもう書いたので、今回は一ファンとして熱めに語っておこうかと思います。

「LG VELVET L-52A」ってどんな機種?


LG VELVETは、海外では2020年5月から順次発売された2020年前半のフラッグシップモデルです。日本で言えば夏モデルに当たる機種なのでもう日本導入はないものかと思いきや、半年遅れで登場しました。

私見ですが、5Gのサービスインに前後して、キャリアが提案するユースケースを実演する際にLGの2画面端末(V60 ThinQ)がよく使われてきた経緯もあり、2画面端末の流れを途切れさせないために時期を逃してもあえて冬モデルのラインナップに抜擢されたのではないかと思います。


LGは従来、Gシリーズ・Vシリーズという2つのハイエンド・フラッグシップモデルを展開してきましたが、不振のスマートフォン事業のテコ入れを図るため、2020年からは惰性のナンバリングモデルではなく、各機種の特徴やコンセプトをより明確にした「My Favorite Things」と呼ばれる製品群を新たなフラッグシップモデルに据えています。

その「My Favorite Things」の第1弾がVELVETで、特徴はまず洗練されたデザイン。そして、G8X ThinQやV60 ThinQの流れを汲む専用のデュアルスクリーンケースが用意され、2画面端末としても利用できます。

以下、海外版を買った時に書いたレビュー記事もあわせてご覧ください。

2020年、一番シンプルで美しいスマートフォン(※個人の感想です)

LGのスマートフォンというと、これまではどちらかといえば垢抜けない、そしてどこにでもありそうなデザインだったと思います。

レザー素材やモジュール機構など攻めた取り組みをしていた頃はともかく、直近の数世代は特にそう感じました。G8X ThinQやV60 ThinQなんて、デュアルスクリーンケースを外して2画面という最大の特徴が失われた状態では、没個性的としか言いようがありません。

ところが、VELVETの正式発表前、ティザームービーなどで真っ先にアピールされたのはデザインでした。

シンメトリーかつ手にフィットする曲面仕上げの3Dアークデザイン、そして控えめで整ったレインドロップ配置のカメラ。

好き嫌いはもちろんあると思いますが、カメラ周りを中心に、過度に主張が強く、醜く歪んだゲテモノばかりが生まれがちな昨今において、2020年の各社フラッグシップモデルの中で、最も端正で美しいスマートフォンだったと私は思います。


まだ外観しかほぼ情報がなかった4月時点で「これは買おう」と決めた時から、海外版2台と国内版1台なんてもう何年もしていなかった異常な買い方をするほどのお気に入り機種になったこの年末まで、外観に関してはこれ以上にピンと来る機種は年間を通じてありませんでした。

ハイエンドじゃないけど、今求められるスペックはこれぐらいじゃないか

VELVETは、位置付けとしてはこれまでのハイエンドフラッグシップだったGシリーズの後釜です。しかし、フラッグシップであってハイエンドではありません。(ドコモ版の場合)Snapdragon 765Gにメモリ6GBというミッドハイレンジ相当のスペックです。

これまでスマートフォン業界ではほぼハイエンド=フラッグシップであったがゆえに混同している例も多々見受けられますが、今後このような立ち位置の機種は増えていくでしょう。


日本市場で快進撃を続けている某SH社の方の言葉を借りれば「“なんとなくハイエンド”の時代は終わった」そうですが、これには同感です。

市場環境の変化によって高価な端末を選びにくくなったことが半分、そしてスマートフォンの高性能化に対してユーザーの利用スタイルの変化が鈍く、ごく一部のヘビーゲーマーを除けば最新のハイエンドSoCを渇望するユーザーが減ったことが残りの半分です。言い換えれば、これまでは曖昧だった「ハイエンドスマホが必要な人」「フラッグシップ、プレミアムなスマホが欲しい人」がはっきりと分かれてくるでしょう。

VELVETは決してハイスペックではありませんが(一言余計なことを言えばSnapdragon 765/765G搭載機の中でも特別動きが良い方ではありませんが)、具体例を出せば2~3年前のハイエンドスマホを使っていて「性能不足は感じていないけどそろそろ変え時」「ハイエンドじゃなくて良いけど、質感・機能などで安い機種はちょっと」という人にはドンピシャでちょうど良いはずです。

デュアルスクリーンケースの使い勝手


先述の通り、専用のケースを着けると2画面端末に変身するというのもVELVETの大きな特徴です。と言いつつ、実は私、海外版を2台も買っていながらデュアルスクリーンケースは買わずに来たので今回の国内版が初体験でした(ほぼ同じギミックのG8X ThinQを使ったことはありますが)。

どうして目玉機能なのに買わなかったかって、高かったんですよ。海外版のデュアルスクリーンケースは本体と別売りで、25,000円~30,000円ぐらいします。「そこまで出すなら普通にスマホもう1台買って2画面にしたほうが便利だわ!」って思いません?思いませんか。そうですか。

でも、ドコモ版は単品が70,488円、ケース付きが88,704円。2万円以下の差額で2画面にできるんです。国内版を買うなら絶対にセットがおすすめ。


デュアルスクリーンケースを装着した状態のサイズ感は、京都の会社がかつて作っていた2画面ゲーム機を思い出します。実際、一部の対応ゲームタイトルではメイン画面にゲーム、サブ画面にコントローラーを表示できます。


2画面の切り替え操作などにはちょっとクセがあるものの、狭苦しい画面分割ではなく通常の表示サイズでアプリを2つ並べられるのは結構便利です。さらに、実は通常のマルチウィンドウ(画面分割)やポップアップウィンドウ(小窓表示)とも併用できるので、最大4つのアプリを同時に起動できます。

そんな使い方をする場面があるかはさておき、見ようによってはタブレット端末顔負けの作業環境をポケットに忍ばせておけるのです。

ただし、左右をつなげて1枚の大画面として使うのには向いていません。そもそもワイドモードは一部のアプリでしか利用できませんし、中央には太いヒンジやベゼルがあるので無理があるでしょう。

まとめ


決して爆売れする機種ではないと思いますが、魅力的なデザインに過不足ないスペック、そしてマニアの心を掴む2画面の合体変形機構と、なかなか見どころのある機種です。

デュアルスクリーンケースセットで考えると価格的には他社のハイエンド機とあまり変わらないか少し安いぐらいなので、「もうハイエンドの性能は要らないかな」と思う方なら、実用上まったく困らない程度のスペックダウンと引き換えに2画面という新しい体験を取るのも悪くないのではないでしょうか。

P.S. VELVETを3台買った人の記事がここ以外にもあるらしいです。どうなってるんだ……。

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