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10年ぶりの新型トラックボール「ERGO M575」ファーストインプレッション

2020年10月26日、ロジクールの新型トラックボール「ERGO M575」が発売されました。発売日に購入し、早速使ってみた第一印象をお伝えします。


先代の「M570」は2010年から販売されてきたロングセラー製品で、親指タイプのトラックボールとしては定番中の定番です。(途中で保証期間や型番の変更はありましたが)今回のERGO M575は10年ぶりのフルモデルチェンジとなり、ユーザーにとっては待望の新製品といえるでしょう。

また、M570の後継機であると同時に、別の見方をすればフラッグシップモデル「MX ERGO」の廉価版でもあります。


実売価格は5,000円台半ばで、ロジクールのトラックボールとしては珍しくカラーバリエーションが用意されています。ホワイト、グラファイト、ブラックの3色展開です。

M570を長年愛用してきた筆者としては、もう無いと思っていたモデルチェンジが実現されただけでもありがたく、当然ご祝儀感覚で全色揃えてやろうという気持ちでいたのですが、家電量販店に行ってみるとホワイトはまさかの売り切れ。トラックボールなんて売り切れるのはディスコンになる時だけだと思っていたので目を疑いましたが、振り返ってみると確かに、意外なほど発売前の宣伝に力が入っていましたよね。

また、ブラックは他の色よりも保証期間が短く(2年→1年)販路が限られているようで、こちらも家電量販店の店頭では入手できず。結果的に残ったグラファイトだけ発売当日にお迎えできました。


そんなわけで、ひとまず今回はグラファイト1台だけでご紹介します。質感やボールの色は違いますが、3色の中では一番M570に近い雰囲気です。

外装はMX ERGOのようなラバー塗装ではなく、樹脂の地の色を使ってつや消しで仕上げた感じ。酷使してもあまり劣化しなさそうな質感なのは好印象でした。手のひらを置く部分に縦線が入った立体的な造形で、安っぽくも見えません。


ボール周辺の形状はMX ERGOに近く、親指の可動範囲が広く取られていてストレスなく転がせます。

こればかりは買ってみないと分からないことですが、操球感は非常に軽く滑らかです。支持球の構造は従来とそれほど変わっていないように見えるため、コーティングや慣性にこだわったらしい水色の新型ボールの出来が良いのかも。


ボール周辺や内部は、無駄な凹凸やスキマ、パーツの継ぎ目が少なく、ホコリが溜まりにくそうな形状でした。指先で裏から簡単にボールを押し出せるので清掃も簡単ですし、手入れしやすい作りです。


クリックボタンは大きく、手の大きさや指の長さの違いに幅広く対応できそう。サイドボタンは形状的にMX ERGOよりも押しやすいぐらいで、廉価機にしては良い部品を使っているのかとても静かです(クリックボタンは普通)。

ホイールは横スクロール非対応。一見M570と同じものに見えますが、操作感や静音性が向上しており、使ってみると別物でした。


単3電池1本で動作し、電池ボックスの脇にUnifyingレシーバーの収納スペースがあります。

認証などの各種表記を電池の下に隠してあるので、背面はとてもスッキリしたデザインになっていますね。


ボディの形状はM570というよりもMX ERGO似ですね。少し背が低く、MX ERGOほど丸みが強くはないため、MX ERGOの0°状態より自然なポジションだと感じました。


角度調整のギミックはないため、右側(小指部分)の落とし方も違和感のないものになっています。


ERGO M575の第一印象をひとことで表すなら「何年も新型を待った甲斐があった」ということに尽きます。

実を言うと、発表時点では「もう無いと思っていた後継機が出る」こと自体にはテンションが上がったものの、内容をよく見るとあまり変わらないかも、とも思っていたのです。悲願のBluetooth対応は実現されましたが、チルトホイールは搭載されませんでしたし。

でも、使ってみると着実に進化しているのを実感できました。操球感の良さだけならMX ERGOを越えていますし、あまり変化がないように見えるホイールやサイドボタンも改良され、上質なデバイスに仕上がっています。次は10年も待たされないぐらい、ヒットしてくれるといいですね。

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