
「LG VELVET L-52A」がドコモから登場!待望の国内版の仕様をチェック
2020年11月5日、NTTドコモの2020-2021年冬春モデル8機種が発表されました。早い機種は発表翌日の11月6日から発売され、来春にかけて全機種が出揃う予定です。
5G対応スマートフォンは「Galaxy A51 5G SC-54A」「arrows NX9 F-52A」「LG VELVET L-52A」「AQUOS sense5G SH-53A」「Galaxy Note20 Ultra 5G SC-53A」「Xperia 5 II SO-52A」の5機種が用意され、4Gスマートフォンは「AQUOS sense4 SH-41A」のみ。タブレットの「dtab Compact d-42A」も発売されます。
Xperia 5 II、AQUOS sense5G、AQUOS sense4の3機種にはドコモオンラインショップ限定のドコモオリジナルカラーが用意されたり、dtabはシリーズ初のレノボ製だったり、既定路線に見えてよく見ると意外性もあるラインナップです。同時に発売されたデバイスレンタルサービス「kikito」(Magic LeapやInsta360を借りられるらしい)もなかなか面白そうでした。
ラインナップ全体の詳しい解説は他におまかせするとして、国内版なんて影も形もなかった頃からのお気に入り機種「LG VELVET」の国内発売を祝いつつ、詳細を見ていこうと思います。
ちなみに、以前レビュー記事も掲載しましたが、私は海外版VELVETユーザーです(国内版に買い替えるつもりで手放したので“元”ユーザーですが)。最初は韓国KT版LM-G900Nのグレーを買い、後から同じくKT版の限定色、オーロラレッドが欲しくて買い替えました。ドコモ版を買ったら同じ機種を3回買うことに……。


「LG VELVET」の概要
「LG VELVET」は、2020年5月に韓国で発表・発売され、各国に順次展開されてきたLG電子製の5G対応Androidスマートフォンです。画面サイズは6.8インチ、画面内指紋認証やワイヤレス充電(Qi)に対応し、IP68相当の防水・防塵性能を備えます。
シンメトリーな楕円形の「3Dアークデザイン」と「レインドロップカメラ」を採用したこだわりのデザインに加え、専用ケースによる2画面化、動画撮影のためのマイク機能(ASMRレコーディング、雑音を消せるボイスアウトフォーカス)などの機能が特徴です。また、国内発表ではなぜか言及されていないので省略されている可能性もありますが、Wacom AES規格のスタイラスペンも利用できます。
LGは2019年まで「Gシリーズ」「Vシリーズ」という2つのフラッグシップモデルを上半期・下半期に交互に出してきましたが、不振のスマートフォン事業のテコ入れを図るため、2020年からナンバリングを捨て、より個性的な機種を出していく方針に転換しました。
その第一弾として、(本来G9が発売されたであろう時期に)ハイエンドではないもののデザイン性を高めたプレミアムモデルのVELVETが発表され、その後、Vシリーズ相当の時期には回転型2画面端末「LG WING」が発表されました。


ドコモ版の仕様
LG VELVETは販売国ごとのバリエーションが多い機種です。最初に登場した韓国版はSnapdragon 765+メモリ8GBでしたが、多くの地域ではSnapdragon 765G+メモリ6GB。欧州の一部で発売されている4G版には旧世代のハイエンドSoC「Snapdragon 845」が搭載され、極めつけはT-Mobile版で、まさかのMediaTek製「Dimensity 1000C」が採用されました。5G版は基本的にSub6のみに対応し、Verizon版だけキャリアの意向で筐体設計から見直してミリ波に対応しています。
日本で発売されるドコモ版のL-52Aは、Snapdragon 765G+メモリ6GB。下り最大2.1Gbpsということで、Sub6のみ対応の通常モデルがベースのようです。他のモデルにない特徴としては、FeliCaに対応しています。
▼一応各モデルの仕様をまとめた記事です(少し古いのでT-Mobile版やVerizon版が入っていませんが)。

海外版はカラーバリエーションも豊富で、初期ラインナップの4色のほか、キャリア限定色の赤、青、ピンク、シルバー、4G版限定のブラックなどがあります。
ドコモ版は2色のみで、無難なオーロラグレーとオーロラホワイトが採用されました。
個性的なカラーの数々が採用されなかったのは残念ですが、在庫処分の手段が限られるようになってから売れない機種のカラーバリエーションにはかなり保守的になってしまったこと、おそらく2画面ありきでの投入なので専用ケース(デュアルスクリーンケース)と合わない色は採用しにくいことを考慮すると、まあこの2色になるよな、とは思います。
ただ、背面下部にLGロゴではなくVELVETロゴが入るのはこれまで韓国版のキャリア限定色だけだったので、ちょっと特別感はあるかも。
ドコモ版の価格・発売時期
LG VELVET L-52Aは2020年12月以降に発売予定で、発表直後から予約を受け付けています。価格は70,488円で、海外版の定価からしても妥当なところでしょう。
注目は、2画面化するための専用ケース「LGデュアルスクリーン」の同梱版もあること。日本で販売されているLGの2画面スマホは、G8X ThinQもV60 ThinQもデュアルスクリーンケースが付属していたので当たり前だと思われるかもしれませんが、VELVETは海外では基本的に別売りで、しかも単品で買うと3万円ぐらいするというなかなか厳しい価格設定でした。
L-52Aのケース同梱版は88,704円なので、差額を考えるとちょっとお得。ドコモ版を買うならぜひケース付きを選びましょう。
なんで今さら発売?という個人的な見解
「日本でも出ればいいのに」なんて声も海外で発表された頃は聞かれましたが、モデルサイクルの短いスマートフォンにおいて、半年も経ってから日本に持ち込まれるということはあまりありません。夏モデルにならなかった時点でどこも出さないことがほぼ確定だろうと思っていました。
今更発売される理由を考察するなら、「5G関連で2画面を使ったユースケースを散々見せてしまったから」だろうと思います。キャリア的にはV60 ThinQの後釜が欲しいでしょうけれど、でも今年のVシリーズ相当の機種は変形2画面のLG WINGなので代わりになりません。普通の2画面(というのも変な話ですが)だからこそ白羽の矢が立ったと考えられます。
また、日常利用で必要とされる性能が頭打ちな上に、諸々のしがらみで高価なハイエンド端末を売りにくくなっている現状、VELVETのようにハイエンドではなくてもデザインや機能でプレミアム路線に仕立てた機種は、ハイエンド機からの買い替え需要を狙う受け皿としても有効で、ラインナップを強化したいゾーンでしょう。