
Photoshop 2021の新機能「空を置き換え」と「ニューラルフィルター」で遊んでみる
2020年10月21日に、画像編集ソフト「Adobe Photoshop」の2021年版が配信されました。新機能の「空を置き換え」と「ニューラルフィルター」がなかなか面白そうだったので、早速試してみました。
空を置き換え
今回紹介する新機能はどちらも、すでにAdobeの各製品に導入されている画像処理AI「Adobe Sensei」を活用したものです。まずは「空を置き換え」機能から試してみましょう。
曇り空の写真でも、空を自動で認識して差し替えれば天気の良い日に撮ったかのように早変わり。スマートフォン用アプリ「Photoshop Camera」には先行してそのような機能が搭載されていたので、本家への逆輸入といったところでしょうか。Lightroomの競合製品「Luminar 4」なんかにも似たような機能がありますね。
「編集」メニューから「空を置き換え」を選ぶだけで使えて、フィルターの一種という扱いではないあたりそこそこ重要視されていそうです。
被写体を指定する必要はなく、基本的な使い方としてはプリセットされた画像の中からイメージに合った空を選ぶだけです。自分で撮った空の写真があれば、それを素材にすることもできます。


建物の間などに塗り残しができることもありましたが、概ねよくできています。必要に応じて前景の色合いなどを弄るとそれっぽくなります(上の例のように夕焼け空に置き換える場合など)。
ちなみに、この記事のアイキャッチに使ったみなとみらいの写真も「空を置き換え」機能を使ったものです。元は以下のような曇り空でした。


ニューラルフィルター
ニューラルフィルターは、同じくAIを活用した高度なフィルター機能です。写真を絵画風にするなどのお遊び要素もありますが、人物を認識して肌をスムーズにしたり、モノクロ画像をカラー化したりといった実用的なフィルターも用意されています。
まずは「カラー化」フィルターから試してみます。と言っても、使った画像はデジタルカメラで撮影した鮮明なモノクロ写真なので、実際にこのフィルターを必要とするようなシーンではここまで好条件の素材ではないだろうと思いますが……。




何枚か試してみたところ、人の顔、植物、空や海など、自然のものはそれなりに認識・彩色されます。人工物は塗りが甘くなることが多いです。まあ、このフィルターはまだベータ版ですからね。
他のニューラルフィルターも試してみましたが、スーパーズームやノイズ除去はなかなか使えそうです。なお、この2つはマシンパワーが必要なようで、ノートPCでは処理時間が長めでした。


あまり高度な機能を多用するわけではない私のようなユーザーにとっては、サブスクリプション型のCreative Cloudへの完全移行は出費がかさむデメリットの方が大きいですが、それでも常に最新の機能を使えるのは良いですね。特にニューラルフィルターは今後の進化が楽しみです。
「Adobe Photoshop CC(12ヶ月版)」をAmazonで見る