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7年ぶりにモデルチェンジしたトラックポイント付きキーボード「ThinkPad TrackPoint Keyboard II」レビュー

各方面のユーザーから支持され続けるビジネスノートPC「ThinkPad」。人々がThinkPadを選び続ける理由はさまざまですが、「トラックポイント」という操作性に優れたポインティングデバイスと良質なキーボードの存在を抜きにしては語れません。

待望の新型ThinkPadキーボード


そんなThinkPadの魂であるキーボードとトラックポイントを抜き出して、単体のキーボードに仕立てた製品があります。デスクトップPCや他社製PCでもThinkPadの操作感をそのまま味わえる、複数台のマシンを併用するユーザーなら必携のアイテムです。

「ThinkPadと同等のキーボードを持つ単体製品」の歴史は古く、IBM時代から続いています。ノートPCの内蔵キーボードが1万円クラスのそこそこ良いお値段の単体製品として十分売れるほど評価されるって、改めて考えてみるとなかなかすごいことですよね。

上の写真は、2013年発売の「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」です。ThinkPadブランドの単体キーボードとしては初めて、6列配置のアイソレーションキーボードを採用した製品で、PC本体で同様の変化が起きたX230世代のキーボードがベースとなっています。

この「X230と同等」というのが現行ThinkPadユーザーとしては微妙なところで、6列化されたばかりの頃の設計を引きずったまま7年間販売され続けたこの機種は、もはや「ThinkPadのキーボードをそのまま抜き出したような使用感」とは言えなくなりつつありました。


そろそろ最新モデル準拠の単体キーボードを出してほしいなあ、と思っていたら、2020年に入ってようやく待望の新型が発表・発売されました。今回ご紹介する「ThinkPad TrackPoint Keyboard II」です。

私も当然新型が出たらすぐ買おうと思っていたのですが、タイミング悪く発売直前に旧型が壊れてしまい、しばらく別のキーボードに浮気していました。受注開始から数ヶ月経ち、ようやく供給が安定してきたようなので遅ればせながら購入して使ってみた次第です。

開封・外観チェック


パッケージはいつもの簡素なダンボールなので省略。開封すると、キーボード本体と充電用のUSBケーブル、説明書が入っていました。KC-1957という型番があることをここで初めて知りました。


キーボード配列は2019年モデルに準拠。先代とは違い、Fnキーが4個ずつ区切られているのが分かりやすい違いです。X13などのような右側が詰まった配置ではなく、キーサイズが均等になる14インチ以上の機種がベースのようです。後述するキー表面の仕上げなども含めて、一番近いのはT490やT14ではないかと思います。

ちなみに、2020年モデルのThinkPadシリーズ各機種はF9~F11キーに割り当てられる機能が変わった(通話関連になった)ので、せっかくモデルチェンジしたのにまたすぐに最新モデルと同じではなくなってしまったとも言えます。まあ、ここはそれほど多用しない、気にならないという人が多いのではないでしょうか。

クリックボタンの形状も2019~2020年モデルと同じです。ここは2018年モデル以前の方が使いやすかったかな……以前は山形になっていましたが、現行モデルはなぜか引っかかりがない平らなボタンになってしまいました。


外観は旧型とそれほど変わっていないように見えて、キーの間の枠と筐体が一体成型されていたり、パームレストが滑らかにカーブしていて先端が薄くなっていたり、似ているようでよく見ると別物です。

元々ノートPCの部品を使っているから薄いキーボードなのに、さらにパームレスト形状が変わって机とシームレスに繋がるような形状になったおかげで、机との段差に手首を置いてもまったく疲れません。些細な違いですが意外と使い勝手に大きく影響する進化だと感じました。


底面の両サイドにある脚を起こすと、少し手前に角度をつけられます。ここは先代と同じです。

右上に電源スイッチがあるのも変わりませんが、形状が変わって「上にスライドさせたらオフ、下にしたらオン」という単純な挙動になり、電源が入っているのか切れているのか分かりにくかった先代よりちょっと便利。


先代はBluetoothモデルと有線モデルがありましたが、新型は無線のみ。その代わり、USBレシーバーを使う独自無線とBluetoothで切り替えられるようになっています。無線禁止の特殊環境では使えなくなりますが、「デスクトップPCのセットアップに有線キーボードが必要」などといった一般的な範囲のニーズであればUSBレシーバーでも代替できますし、良い落とし所なのではないでしょうか。

また、接続切り替え用のスイッチの隣には、Windows/Android用のモード切り替えスイッチもあります。AndroidモードにするとF9~F12がバックキーやホームキーになり、スマートフォンやタブレットとの親和性が高まりました。また、充電端子がUSB Type-Cになったのも今時のモバイル機器との共存を考えると利点ですね。

ThinkPad X1 Carbon(Gen 7)と比べてみる


同世代のThinkPadということで、愛用しているThinkPad X1 Carbon(Gen 7)と並べてみました(いや、愛用はしてないな……壊れかけで手を焼いています)。

こうしてみると、やはり内部構造としてはX1 CarbonやX1 Yoga、Tシリーズあたりの14インチモデルと同じであることがうかがえます。試し打ちしてみた限りではキータッチもよく似ています。

キータッチがほぼ同じということは、単に同じ部品を使っているだけではなく、グニャグニャのペラペラだった旧型より筐体そのものの構造も改良されている証拠です。

新旧ともにほぼ同じサイズですが、実は新型のほうが50g以上重く、おそらく金属製パネルによる補強が入っています(旧型も申し訳程度に入ってはいたのですが)。本体の両端を持って軽くねじるように力をかけてみても、旧型ほど頼りない印象は受けません。剛性が上がってたわみの少ないボディの上に同等の部品を載せているからこそ、現行ThinkPadと同じ打鍵感が得られているのです。


ところで、外観の項目で「一番近いのはTシリーズ」と書きました。フラッグシップモデルであるX1 Carbonと比べても打鍵感そのものに大きな違いはないのですが、キーの質感はワンランク下、X1以外のXシリーズやTシリーズに近いためです。

X1シリーズのキートップはしっとりと指に吸い付くような独特の質感ですが、他のシリーズやThinkPad TrackPoint Keyboard IIは樹脂そのままに近く、手触りが違います。これが不満かといえば決してそんなことはありませんし、たぶんあれって結構コストがかかるんでしょうね。

まとめ


7年越しの待望のモデルチェンジということで、USB Type-CやAndroid対応など時代の流れに沿った仕様変更によって利便性が高まったのはもちろん、ただ最新世代の部品を流用するだけではない地道な改良で、最大の魅力であるキーボードの打鍵感がはるかに良くなりました。

正直、モデル末期の旧型は「この安っぽいのが1万円?」と思ってしまうところもあり、トラックポイント付きキーボードという他にはない製品だから仕方なく買っている節がありました(セール中しか買いたくないと思っていたぐらい)。

新型は様々な面で質が高まって価格に見合う物としておすすめできますし、現行ThinkPadユーザーもようやく本当の意味でノートPCと同じ操作感をどのマシンでも味わうことができるでしょう。

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