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ノートPCを強制的に冷やす「吸引式冷却ファン」を試してみた

私は機動性を重視して「ノートPC+外部ディスプレイ1枚」の構成をメイン環境にしているのですが、数ヶ月前に導入したThinkPad X1 Carbon(Gen7後期のComet Lake搭載モデル)のパフォーマンスがイマイチなのが最近の悩みです。


発熱がひどい、動作も遅い、映像出力は不安定(スリープ復帰直後に外部ディスプレイを認識したり見失ったりする)……おまけに4Kモデルなんて買ってしまったせいで、映像出力が不安定な場面に遭遇するとメインディスプレイとの解像度とスケーリングの違いからウィンドウサイズがぐちゃぐちゃになるという踏んだり蹴ったりな状態。

X1 Carbonの愚痴はさておき、「まともに排熱できれば少しはマシになるのでは?」という期待から、こんな物を買ってみました。


ノートPCを外部から冷やすための周辺機器は昔から色々あり、ノートPCの下に敷くシンプルな冷却パッドや、それにファンをつけて吸気口に空気を送り込む物などがメジャーです。

今回購入した製品は、同じ冷却ファンでも吸気ではなく排気をアシストするタイプ。ノートPCの排気口に密着させて空気を吸い出すための物です。

特にメーカーにこだわりはなく、ひとまずこのタイプの物を試してみたかったので、Amazonで安くて評判もまともそうな「OPOLAR」というブランドの製品を選びました。購入時の価格は2,399円(税込)でした。


外観はこんな感じ。どことなくゲーミング風味なルックスですが、1677万色に光りはしません。


この面をノートPCにくっつけて吸引します(=横面排気の機種用)。このままでは密着せず効率が悪いので、後述の付属品を取り付けて使います。


付属品を並べてみました。意外と部品が多くて「うわ、なんかめんどくさそう」と一瞬思いましたが、実は単純。

グレーの部品は冷却ファンとノートPCの隙間を塞ぐための物で、ノートPCの排気口のサイズに合った物を選んで使います。

残りは設置に使う物で、右下の小さな吸盤が並んでいるパーツは、いつでも外付けファンを外せるようにしておきたい人向けです。基本はこちらを使えば良いと思います。右上のメタルプレートはノートPCとガッチリ固定してセットで持ち運びたい人向けです。


組み立てるとこうなります。電源はmicro USB経由です。特にPC本体のファンと協調するわけではなく単に電源を取るだけなので、PCのUSB端子に繋ぐか、普通の充電器に繋ぐかはお好みで。


このPCの排気口は右側にあります。排熱経路の上にあるキーボードの右端とその周辺の枠がいつも熱くなっており、排熱が追いついていないのは明らかな状況でした。

吸引式冷却ファンを導入してみたところ、表面温度も内部の温度も下がり、そこそこ冷却効果はあるようです。正直、底面の吸気口あたりに風を送る「冷却台」タイプのノートPCクーラーは大抵気休め程度(あるいはそれ以下)にしか効かず、底面の外装をなんとなく冷やす程度の微妙なアイテムなので、「吸引式ならこんなにはっきり効くんだ」という驚きがありました。


「HWMonitor」というツールでCPU温度を確認してみました。4K内蔵ディスプレイ+WQHD外部ディスプレイで利用、Lightroom Classic CCを起動すると、内蔵ファンのみではCPU温度が一気に80度前後まで上がってしまうような状況。吸引式冷却ファンをフル稼働させながら同じように負荷をかけてみると、私の利用環境では10度以上の差がありました。

それなりに動作音も大きいので常用は厳しいものの、負荷の大きい作業をする時は使うようにしています。外から強制的に排気“させる”仕組みなので内蔵ファンに想定外の負荷がかかるリスクがあることは頭の片隅に入れておく必要があると思いますが、急場しのぎには効果的なアイテムだと思います。はやくTiger LakeのX1 Nano(仮)に買い換えたい……


最後に少し、今回購入した「OPOLAR LC06」という製品固有の話をしておきます。この製品には温度計が付いているものと付いていないもの(温度計なしの方が少し安い)がありますが、もし購入を検討しているのであれば温度計なしが良いと思います。

私は温度計つきを買ったのですが、高負荷をかけている最中のPCにセットしてみても室温と数度しか変わらない温度が表示されました。分解したわけではないのでどのあたりで測っているのか不明なものの、PCからの排気をダイレクトに測ってくれるような位置にセンサーがあるわけではないと思われ、差額を出すほどの価値がある情報は残念ながら得られません。

ファン自体の性能はまともなので、温度計なしならお困りの方には間違いなくおすすめです。

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