「LG Velvet」各モデルの仕様に関する情報

LG製のAndroidスマートフォン「LG Velvet」について、2020年8月7日時点で判明している各モデルの仕様などの情報をまとめました。

個人的にとても気に入って使っている機種ですが、日本語での情報がほぼないので調査・整理した次第です。日本で発売される可能性は低いですし、輸入ユーザーも少ないと思われますが、もしお役に立てば幸いです。

「LG Velvet」の概要


LG Velvetは、2020年5月に発表されたLG製のAndroidスマートフォンです。韓国を皮切りに、EU圏の各国やアメリカ、カナダ、台湾などで順次発売されています。

LGは従来、上半期発表のGシリーズと下半期発表のVシリーズという2系統のフラッグシップモデルを展開してきましたが、2020年以降は不振のスマートフォン事業のテコ入れを図るためにGシリーズを廃止し、製品の特徴をより強く打ち出した新たなプレミアムモデルを投入していく方針。その第一弾となるのがVelvetで、従来のGシリーズの流れを汲む「LM-G……」から始まる型番が付与されています。


前後対称の楕円形状、整った配置で控えめな「レインドロップ」デザインの背面カメラなど、デザイン性を重視した機種です。スリムなボディーでありながら、IP68の防水・防塵性能とMIL規格準拠の耐衝撃性能も備えます。

付加機能も充実しており、6.8インチの大画面はWacom AESペンに対応。直近のGシリーズやVシリーズと同じように、専用のデュアルスクリーンケースを装着すれば2画面端末に早変わりします。このほか、ASMRレコーディングなどのユニークな機能もあります。

基本スペック

LG Velvetのスペック(全モデル共通)
SoCSnapdragon 765/765G/845
メモリ(RAM)6GB/8GB
内部ストレージ(ROM)128GB
ディスプレイ6.8インチFHD+(2460x1080、20.5:9)有機EL
バッテリー4300mAh
充電端子USB Type-C
OSAndroid 10
アウトカメラ約4800万画素(広角)+約800万画素(超広角)+約500万画素(深度)
インカメラ約1600万画素
サイズ約167.2×74.1×7.9mm
重量約180g

仕向地・型番別の情報

LM-G900N:韓国版(KT/SK Telecom/LG U+/自給制)

現状、最も流通量が多いモデルは本元の韓国版です。KT、SK Telecom、LG U+の3キャリア版のほか、自給制(オープンマーケット向けのSIMフリーモデル)でも売られています。

なお、韓国版はキャリアモデルでもSIMロックはかかっていません。プリインストールアプリや設定項目の一部に違いがありますが、基本的にはこれらは同一の仕様と考えて良いでしょう。5G移行絡みの割引などがあるのか、海外オークションを見ていると定価よりも安い未使用品を多々見かけます(特にKT版)。自給版はほとんど見かけないレアモデルです。

韓国版のSoCは「Snapdragon 765」で、メモリは8GB。メモリ8GBは今のところ韓国版しか確認されておらず、メモリ容量を重視するなら韓国版がベストです(765G+8GBのモデルは現状存在しないのが惜しまれます)。

カラーバリエーションはAurora White、Aurora Gray、Aurora Green、Illusion Sunsetの4色に加え、キャリア版には各社1色ずつの追加色があります。KT限定色はAurora Red、SK Telecom限定色はAurora Blue、LG U+限定色はAurora Pinkです。他国版も含めて通常は背面にLGロゴが入りますが、韓国版の追加3色はLGロゴの代わりに「VELVET」ロゴが入ります。

韓国向けの公式サイトにはLM-G900Nの対応バンドは掲載されていません。筆者所有のKT版の実機である方法を用いて確認したところ、NRはn78のみ、LTEはBand 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/38/39/40/41/66に対応していました。後述の欧州版や米国版と比べると対応バンドはかなり豊富です。


別売りのDual Screen CaseにはLM-G905Nという型番が振られています。Dual Screen Caseのカラーはホワイト、グレーの2色です。

LM-G900EM:欧州5G版(イタリアほか)

LM-G900EMは最も発売地域が広くポピュラーなモデルです。便宜上「欧州5G版」と表現しましたが、実際には南アフリカなどでも販売されています。

欧州版のSoCは初出の韓国版よりもわずかに高性能な「Snapdragon 765G」ですが(※例外あり)、メモリは6GBに減らされています。販売国によって欠けているカラーバリエーションもありますが、基本的にはAurora White、Aurora Gray、Aurora Green、Illusion Sunsetの4色展開です。プレスリリースによれば、欧州版のDual Screen Caseには韓国版にはないグレーが追加されているようです。

対応バンドは、NRがn1/n3/n5/n28/n40/n78、LTEがBand 1/2/3/4/5/7/8/12/17/20/28/32/38/39/40/41です。公式サイトのほか、箱ラベルなどで同様の対応バンド表記を確認できます(韓国版はラベル記載なし)。

一部例外として、南アフリカ向けの公式サイトではSoCがSnapdragon 765(SM7250)となっており、同じLM-G900EMを名乗るモデルでも仕向地によって仕様に差があるようです。

LM-G900UM:米AT&T版


米国版はAT&T/T-Mobile/Verizonの3キャリアから発売予定です。AT&Tの発売日が最も早く、7月22日に発売されました。SoCはSnapdragon 765G、メモリは6GBです。カラーはAurora Grayと初登場のAurora Silverの2色。背面にはキャリアロゴが入ります(※AT&T公式サイトを参照)。

なお、米国版全体ではAurora Gray、Aurora Silver、Aurora Red、Pink Whiteの4色と予告されているため、他の2キャリアの限定色としてAurora Red(韓国KTと共通)とPink White(新色)が登場すると考えられます(※ニュースリリース)。

また、AT&T版とほぼ同様の仕様で「LM-G900UM2」を名乗るモデルがあり、こちらはカナダ向け。現地の規制の兼ね合いで、SIMロックはかかっていないはずです(※カナダ向け公式サイト)。

LM-G900EMW:台湾版

LM-G900EMWは台湾での発売が確認されています。Snapdragon 765Gにメモリ6GBで、カラーバリエーションは基本の4色です。対応バンドはLM-G900EMと同じですが、デュアルSIM仕様となっているのが特徴です。

なお、非対応のモデルでもSIMトレイはnano SIMが2枚入る形状となっているため、目視での判別は難しいでしょう。

LM-G910EMW:欧州4G版(ドイツほか)

ここまでに紹介した各モデルはすべて「LG Velvet 5G」ですが、一部の市場ではひっそりと4G版も投入されています。ドイツなどで販売されており(※ドイツ向け公式サイト)、カラーはAurora Silver(AT&Tと共通)と新色のBlackがあります。

このモデルにはSnapdragon 765/765Gではなく、2世代前のハイエンド向けSoC「Snapdragon 845」が搭載されます。少々驚きの仕様ですが、日本のNTTドコモ向け廉価機「LG style3」でも同じくSnapdragon 845を使っていますし、無用の長物と化した5G非対応のハイエンドSoCの在庫処分を兼ねているのかもしれません。

メモリは6GB、対応LTEバンドはBand 1/3/7/8/20/28/38です。

認証情報などで確認されている未発売の型番

ここで紹介したモデル以外にも、未発売ですが認証情報などで確認されている型番がいくつかあります。最後に、未発表型番をまとめてお伝えします。

FCCやWPCの認証情報で確認されている未発表型番「LM-G900VM」「LM-G900TM」「LM-G900QM」「LM-G900GM」のうち、いずれか2つは、米国版のうち未発売のVerizon版やT-Mobile版となるでしょう。

また、中国のTENAA認証の公開情報でLM-G900FMWというモデルの存在も明らかになっており(※認証情報)、中国で販売するモデル以外がTENAAの認証を受けることは稀なため、中国でも発売予定があると思われます。

「Google Play Certified Android devices」を読み解く


Google Playの認証を受けた端末のリストがGitHubで公開されており、この中からVelvet関連の型番を検索してみると、「LM-G900」「LM-G900N」「LM-G910」「LM-G900TM」の4つが見つかります。

型番の付け方からすると、LM-G900は5G版の総称、LM-G910は4G版の総称としてそれぞれ認証を受けているのではないかと考えられます。となると、なぜか単独で受けている残りの2つが気になりますが、LM-G900Nは最初に発売されたモデルで開発時期が異なるためでしょうか。

型番の隣に記載されたコードネームを見ると、LM-G900Nを含む5G版のLM-G900シリーズは「caymanlm」、4G版のLM-G910シリーズは「caymanslm」と分けられています。ところが、未発表のLM-G900TMにはなぜか「mcaymanlm」という別のコードネームが付けられており、ハードウェアレベルで何らかの仕様が異なるモデルが今後も増える可能性がありそうです。

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