
楽天モバイル、「Rakuten Mini」の一部で技適に不備
楽天モバイルは6月26日、同社が販売するAndroidスマートフォン「Rakuten Mini」について、技術基準適合証明の電磁表示または取得に不備があったことを明らかにしました。
Rakuten Miniは同社オリジナルのeSIM対応小型スマートフォンで、2020年1月23日から販売されています(※当初は「無料サポータープログラム」参加者向けに販売)。同機種は出荷開始後にLTEおよびW-CDMAの対応周波数帯が案内なく変更されており、ユーザーからの指摘を受け、6月10日・6月11日の二度に渡って“仕様変更”のアナウンスが出されました。


状況を整理すると、Rakuten Miniには対応バンドが異なる3種類のタイプが存在します(以下、便宜上「初期型」「中期型」「後期型」とします)。
IMEI 351676110356708以前の「初期型」は、LTE Band 1とW-CDMA Band Iに対応するモデルです。IMEI 351676110356716~351676110680487の「中期型」では対応バンドが増え、初期型の対応バンドに加えてLTE Band 5とW-CDMA Band Vも使えます。
IMEI 351676110682491以降の「後期型」ではさらにLTE Band 4とW-CDMA Band IVが加わりましたが、代わりにLTE Band 1とW-CDMA Band Iが削除され、ユーザーの不利益となり得る変更が周知なしに加えられました。
この“仕様変更”に関する指摘を認めた際、同社は一部メディアの取材に対して「認証番号は変わらない。そのまま利用しても問題はなく、修正アップデートや製品回収はしない」という旨の回答をしています。しかし、実際にはRakuten Miniの認証関連で2つのミスがあったというのが6月26日付けの発表内容です。
まず、現時点でRakuten Miniの設定メニューから確認できる認証情報は、初期型・中期型・後期型のすべてで「中期型」の情報が電磁表示されています。つまり、中期型だけは正常でそのまま使い続けても問題ない状態です。
今回発覚したミスのひとつは、中期型への設計変更を行った際に、「初期型にも中期型の認証情報を表示してしまった」ことです(というのが発売後の話なのか、どうも時系列がはっきりしない説明ですが)。つまり、初期型には本来は別の認証番号があって取得は完了しているものの、正しく表示できていません。
もうひとつは後期型の問題で、こちらは認証の再取得も表示もできていませんでした。前回の発表内容の通り、中期型からの認証番号の変更はないと認識していたということでしょう。
まとめると、初期型→認証OK・表示NG、中期型→認証OK・表示OK、後期型→認証NG・表示NGという状況でした。なお、6月26日時点では後期型の認証も取得完了しています(表示はこれから)。
今後のソフトウェア更新で、初期型および後期型にも正しい認証情報を電磁表示する予定ですが、暫定的な措置として「正しい電磁表示の内容をメールで送るので、画像を保存しておいてください」とのことです。
Source:楽天モバイル
筆者のひとこと
不可解なロットごとの仕様の違いをあくまで“意図した仕様変更”だと言い張るのも謎ですし、本当に“仕様変更”なのであれば購入者に周知しなかったことも問題ですし、おまけに認証周りもこのグダグダぶり、そしてサポート窓口どころかメディア対応でもいい加減な回答をしていたという……1機種だけでどこまで評判を落とす気なのでしょう(他で落ち切っている、と言ってしまえばそれまでですが)。
