国内版発売から半年、「Cosmo Communicator」(2ndロット)を今更受け取ったクラウドファンディング組の雑感

2020年6月1日、昨年クラウドファンディングで支援したあるプロジェクトのリターンが10ヶ月越しに届きました。QWERTYキーボード付きのクラムシェル型Android端末「Cosmo Communicator」です。


最初にお断りしておきますが、もはや私にとってこの端末は愛憎入り交じる代物になってしまったので、中立的なレビュー記事は書けそうにありません。なので、今回は支援からリターン品到着までの長い道のりを振り返りつつ、開封して眺めて雑感を書くだけにします。

ちゃんとしたレビューが必要な人は……そうですね。もう半年も前に市販製品として店頭に並んでいた代物で、素晴らしいレビュー記事がたくさん公開されていますから、そちらを読むと良いと思います。

到着までの流れ


この記事を読んでいる人の中には、まだCosmo Communicatorを受け取れておらず、メーカーであるPlanet Computersの態度もはっきりせず、いつになれば受け取れるのだろうかと困惑しつつ到着報告を読み漁っている人もきっといると思います。私もそうでしたから。

なので、はじめに私の場合の出資から到着までの流れを晒しておこうと思います。

・2019/8/26 「Cosmo InDemand Special」569ドルで支援
・2020/5/20 ステータスが「CONTRIBUTION PLACED」から「CONTRIBUTION LOCKED」に
・2020/5/28 香港から発送
・2020/6/1 到着(神奈川県横浜市在住)

Contribution IDは4100番台、構成は日本語キーボード+JPプラグです。

このプロジェクトに関しては、出資順であるContribution IDと同じかそれ以上に「どのキーボードを選んだか」が明暗を分けています。特定の時期から後に日本語キーボードを選んだ人(私も含む)は大幅に遅れています。私より数日後に英語キーボードを選択した友人には、半年近く前に届いていました。日本ではあまりいないかと思いますが、海外勢のコメントを見る限り、少数生産のマイナーキーボードを選んでしまうと初期に支援した人でも容赦なく後回しになっている様子。

それと、時節柄やはり不安な人も多いであろう配送の話も少しだけ補足。2020年6月現在、ウイルス騒動で国際物流に少なからず影響が出ていますが、2ndロットのCosmo Communicatorは香港からUPSで出荷されています。すっかり滞ってしまっている郵便系のサービスではなく、飛行機も通関も自前で行うUPSで発送してくれているのは不幸中の幸いで、ほぼ平常時と変わらない日数で届きました。

クラウドファンディングは買い物じゃない?そんなことは知ってるよ

最近はクラウドファンディングというものを舐めてかかっているというか、「安く早く買える」ぐらいのノリで安易に手を出す人も少なくないと感じます。まあ、国内のクラウドファンディングサイトなんて輸入代理店の低コストお試し販売所と化していて、「届くか届かないか分からない」ような胡散臭いものを嗅ぎ分ける勘が試されるようなプロジェクトがほぼ存在しない状況ですし、買い物感覚になってしまうのも分からなくはありません。

でも、国内のクラウドファンディングサイトと違って、まだ「新しい何か」が生まれ続けている海外のクラウドファンディングサイトはそうではないのです。良いプロジェクトを見極めてからお金を出すこと、そして「出資(支援)に対する見返り(リターン品)は必ず保証されるものではない」としっかり理解することが重要です。

それを端的に言い表したのが「クラウドファンディングは買い物じゃない」という言葉です。私もクラウドファンディング初心者ではありませんし、そんなことは百も承知です。そして、Cosmo Communicatorのプロジェクトページで罵詈雑言を書き込んでいる世界各地の人々も、大半はクラウドファンディングの何たるかを理解しているはずです。その上で、「お客様気分」ではなく「支援者として」の非難が絶えず飛び交う程度には、お粗末なプロジェクトでした。

「最悪届かなくても仕方ないよ、クラウドファンディングなんだから」と思っていてもイライラさせられた原因はいくつかあります。

まず、リターン品が行き届いていないのに製品化・市販されていること。「リターンがない」という結果だけを見れば一見同じようにも見えますが、志半ばで力尽きて製品を世に送り出せなかった結果としてリターンが得られないのとはまったく意味合いが違います。単なる不義理ですよね。“No units will be available for general release until you receive your Cosmo Communicator.”と書いて出資を募ったからには、詐欺と言っても過言ではありません。

日本ではリンクスインターナショナルが代理店となって、ヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店で2019年12月から販売されています。クラウドファンディング組の中での順番が崩れるのは生産の都合もありますから何とも思いませんが、市販組の楽しそうな購入報告や店頭展示のデモ機を眺めるしかないあの虚しさは、「プロジェクトが頓挫して届かない」という王道の燃え尽き失敗パターンよりはるかに理不尽でモヤモヤするものがありました。

そのストレスに拍車をかけたのは、「なぜ先に市販しているのか?」ということへの説明も含めたPlanet Computersの姿勢です。60回に渡ってIndiegogoのプロジェクトページで彼らが報告してきたことのうち、最後の数ヶ月の内容は、その場しのぎの言い逃れと実現性に欠ける希望的観測ばかりです。

ちなみに、Indiegogoでの問い合わせやメール、Facebookページなど彼らとコンタクトを取る方法はいくつかありますが、基本的にどれも無駄なのでやめておきましょう。クレームを入れてもお互い得しないからやめろ、とかそういうマナーの話ではありませんよ。必要かつ真っ当な内容の事務連絡でも基本的に返ってきません。


そしてトドメに後継機「Astro Slide 5G Transformer」の発表。Cosmo Communicatorが届かないままAstroにも出資した猛者(カモ?)も目撃しましたが、私は遠慮しておきました。どうせまた、リンクス経由で買った方が早いかもしれませんからね。

新プロジェクトの景気付けに、「新型をたくさん宣伝してくれた人にCosmo Communicatorあげるよ!」なんてキャンペーンまでやり出した時には怒りを通り越して笑いました。こんな支援者の神経を逆なでするのが得意な人たちのプロジェクトが3回連続で成立してしまうのが不思議ですが、そんな連中にすがるしかないぐらいこの手の端末は絶滅危惧種ですからねぇ……。

「Cosmo Communicator」開封の儀

何はともあれ、ようやく「Cosmo Communicator」を手にすることができました。正直、嬉しさよりも「もうPlanet Computersと関わらなくていい」「Indiegogoのチェックから解放される」「10ヶ月間の長い戦いに終止符が打たれる」という解放感の方が勝っていますが、せっかく新しい(もう新しくない)ガジェットが届いたのですから楽しもうではありませんか。


パッケージはちょっと凝った作りになっていて、フタを1枚めくると端末を開いたときの感覚を疑似体験できます。すごい、製品版を買った人たちのレビュー記事で見た通りだ!


付属品はUSB Type-CケーブルとACアダプタ、SIMピン、クイックスタートガイド、クリーニングクロス、自分がPlanet Computersのカモであることを周囲にアピールできる素敵なステッカーです。


ACアダプタは若干日本語が怪しめですが、ちゃんとPSEマーク付き。まあ、もう日本で売ってますからね。

「Cosmo Communicator」本体の外観


天板にはサブディスプレイと指紋センサーが付いています。カメラも今回は標準搭載。


前機種のGemini PDAにはなかった目玉機能のサブディスプレイですが、安定性の評判がすこぶる悪いです。それでも、開けずに時刻や通知を確認できるのは便利。開閉が固くうるさい上に勢いよく一気に開くので、TPO次第で「開けずに済ませたい」場面は結構あるので助かります(それもどうなのという話ですが)。


ヒンジの構造はGemini PDAを踏襲しています。外装の金属パネルの一部が開閉機構を兼ねていて、基本的に途中で止めることはできずバネで一気に開閉します。頑張れば途中で止めて使えなくはありませんが、痛い思いをするだけなのでやめておいたほうが無難です。

うるさいし怖いので、普通のヒンジにして欲しいな……と思いましたが、次回作のAstroはスライド型に衣替えしたのでその心配はなさそうですね。


普通のスマートフォン(iPhone SE2、Galaxy S20)と並べるとこんな感じ。画面サイズは5.99インチ(18:9)ですが、キーボード付きの特殊端末ということで筐体は大きめです。もっとも、普通のスマートフォンと同じようなスタイルで使うことはないのでむしろクラムシェル型のデバイスとしては小柄に感じるかと。


開いてみると、スペースを余すことなく使ったキーボードの詰め込み具合が見事です。おかげでキーピッチも十分に確保できていますし、手持ちだけでなく机に置いても十分打てるサイズですね。


キー配列はこんな感じ。日本語入力では長音を一発で押せないのが難点ですが、この手の物は大抵慣れが必要な配列なので及第点でしょう。カーソルキーがあるのはGOOD。


ちなみに、日本語キーボードを選択するとそのままでは「かな入力」になってしまいます。ローマ字入力をしたい場合は色々設定が必要ですが、そこはGemini PDAでも同じだったようで、検索すれば先人たちの知恵にすぐたどり着けます。


台形キートップのおかげで隣接するキーとの押し間違いは起きにくいです。ただ、キートップを触るとグラグラ動く精度の低さ、カチャカチャとうるさい打鍵音など、本来この端末の唯一にして最大の魅力であるはずの部位としてはイマイチな出来。

というか、友人の個体や展示機など1stロットは何台か触りましたが、キーボードの質はもっと良かったような……?これ以上考えると悲しくなりそうなのでやめておきます。


画面には保護フィルムがあらかじめ貼られています。インカメラ部分の処理も一応されていますし、厚み的にもおそらく梱包材ではなくそのまま使えるよという意図で貼られていると思うのですが……なんだか位置もズレていますし傷だらけ、指滑りも最悪。ちゃんとしたフィルムに貼り替えてから使った方が良いと思います。


ソフトウェアは荒削りですがそれなりに便利です。Planetキーを押すとどの画面でもMacのようなドックランチャーを出せますし、オリジナルのメモやカレンダーのアプリも悪くありません。


カメラは記録程度、なんだかホワイトバランスも合いませんしぼんやりした写りです。まあ、ここに期待して買う人はおそらくいないでしょう。1台持ちする強者がいないとも限らないので、無いよりはあった方が良いのではないでしょうか。


最後に、往年の名機「IS01」とツーショット。こうして見るとやはりキーボード側の詰め込み具合がすごいですね。開いた時の佇まいはとても格好良いです。

ようやく入手できた「Cosmo Communicator」ですが、デジタルガジェットで旬を半年以上逃してはもはや価値はないも同然で……今の私のガジェット布陣にはCosmo Communicatorを必要とするポジションはなくなってしまいました。このまま持っていても宝の持ち腐れになりそうなので(宝かどうかは分かりませんが)知人に即譲ることに。私とCosmo Communicatorの話はこれでおしまいです。

来年、「Astro Slide 5G Transformer」支援者の皆様が明るい気持ちで無事に端末を受け取れるよう願いつつ、この辺りで筆を置かせていただきます。

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