「iPhone SE(第2世代)」レビュー、最新iPhoneの性能をiPhone 8のサイズに凝縮

iPhone SE2などの名称で数年に渡って噂されてきた、廉価版iPhoneの新作「iPhone SE(第2世代)」がついに発売されました。

ウイルス騒動の影響などもあってキャリア版は少し発売日がずれ込みましたが、SIMフリー版は2020年4月24日に発売。実際に購入して1ヶ月ほど使ってみたので、レビューしたいと思います。

「iPhone SE(第2世代)」ってどんな機種?


iPhone SE(第2世代)は、4.7インチ液晶とTouch ID(指紋認証)付きホームボタンを備えたiPhoneです。初代iPhone SEと同様、毎年9月に発表される通常のナンバリングモデルの後継機ではなく、追加モデルあるいは廉価版といった意味合いで独立した「スペシャルエディション」です。

大ざっぱに言えば、アルミフレーム+ガラスパネルで構成された「iPhone 8」のボディーに、iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxと同じ「A13 Bionic」を搭載したような作り。根強いファンも少なくない伝統のホームボタン付きiPhoneの最終型をベースに、基本性能を最新モデルと同等まで引き上げたと考えても良いでしょう。

ボディカラーはホワイト、ブラック、(PRODUCT)REDの3色で、ストレージは64GB/128GB/256GB。SIMフリー版の価格は44,800円(税別)からです。

外観:完全な使い回しではなく、少しだけ“お色直し”


私が購入したのは、SIMフリー版の64GBホワイト。これまでのiPhoneの慣例とは少し違うカラーリングで、一番SE2っぽい色かなと思ったのが選んだ理由です。


iPhoneに限らず、白系のApple製品はフロントベゼルまで白で統一した物が多いです。iPhone SE(第2世代)は廉価機という性質上、コストを下げるために部品の種類を減らすことを優先したのか、ボディカラーを問わず黒ベゼルなのがちょっと新鮮。

もっとも、X以降のiPhoneやiPad Proなど、ベゼルレスな最近の機種では黒ベゼルが普通です。コストカットのためだけではなく、他の現行製品と並んだ時の見栄えも意識した判断なのかもしれませんね。


背面は真っ白なガラスパネルで覆われています。最近は角度によって見え方が変わるような特殊加工を施した機種が多いので、混じり気のないソリッドカラーはかえって珍しくなりましたが、実にシンプルで美しいと思います。

ロゴ配置はiPhone 11世代に準拠しており、背面に「iPhone」などの文字はなく、中央にAppleロゴが入ります。iPhone 8までは中央よりも少し上にロゴがあったので、ロゴを見せるために穴を開けてあるデザインのケースを流用すると残念なことになるため要注意。


側面のボタンやSIMカードトレイの配置はiPhone 8と同様です。既存機種の筐体設計を流用しているためか、香港版などを買っても物理デュアルSIMに対応したモデルはありません。


フレームも最近流行のギラギラした光沢仕上げではなく、アルミの地の質感を生かした仕上げです。これでいいんですよ。

細かい部分ですが、左右2ヶ所ずつ入る樹脂のアンテナラインの色がiPhone 8とは違い、背面パネルにあわせた白色となっています。8の白っぽい色はあくまで「シルバー」、SE2は「ホワイト」なので、背面パネルも含めて色合いは再調整されているようです。


実を言うと、発表直後に公式画像を見た時点では、SE2が黒ベゼルなのは単なるコストカットだと思い込んでいました。しかし、実機を手にすると案外それだけの理由ではなく、先述のように「現行製品との統一感を出すため」なのではないかと思えてきました。

そう思わせた理由のひとつが、このスピーカー周りのデザインです。形状はもちろん変わらないのですが、さり気なく銀色のメッシュパーツをわざわざ作り起こしているんですよね。

ロゴ位置の調整などもそうですが、形は同じでも見る人が見ればちゃんと「2020年のiPhone」に見えるように、違和感なくお色直しされています。

スペック・動作:A13 Bionicで快適動作

iPhone SE(第2世代)のスペック表
SoCA13 Bionic
メモリ(RAM)3GB(※非公表)
内部ストレージ(ROM)64GB/128GB/256GB
外部ストレージ×
画面サイズ・方式4.7インチ 液晶
画面解像度1334×750
バッテリー容量1821mAh(※非公表)
充電端子Lightning
OSiOS 13.4
アウトカメラ約1200万画素 F1.8
インカメラ約700万画素 F2.2
サイズ約138.4×67.3×7.3mm
重量約148g

iPhone 11シリーズと同じ最新チップ「A13 Bionic」が搭載され、CPU・GPU性能が向上しました。それ以外はほぼiPhone 8の仕様を踏襲しています。

筐体設計はそのまま、チップだけ最新世代に更新するというのは、iOSデバイスでは過去に何度か使われてきた手法です。しかし、このやり方では最新の高性能チップの放熱を処理しきれないといったデメリットもあるため、iPod touch(第7世代)などのように「最新チップは積むけれどクロックダウンする」というパターンが多かったのです。

SE2はフルスペックのままA13 Bionicを搭載しているため、動作は至って快適です。ただ、少し負荷をかけると上半分(カメラのあたり)が熱を帯びやすく、ベンチマークを取ってみても顕著な低下が見られるため、これからの季節には少々不安が残ります。とはいえ、問題ない範囲と判断されたからこそクロックダウンしていないのでしょう。

また、チップだけを最新にすると電池持ちも気になるところですが、そこは元々少ないバッテリー容量でやりくりしているiOSデバイスらしく、iPhone 8と同等の持ち時間が確保されています。

UI・機能:どこか懐かしくも使いやすいTouch ID搭載機


UIについては、今さら語るまでもないかもしれません。馴染み深い「ホームボタン付きのiPhone」そのものです。

個人的には、物理ボタンを廃した全画面のジェスチャー操作は時代の流れとして避けられないと思っていますが、それでもX以降のiPhoneのUIにはひとつ、どうしても許せないところがあります。Face ID(顔認証)周りのもどかしさです。

ロック解除なら認証後にスワイプ、アプリ購入などの決済時にはサイドボタンをわざわざ押さなければなりません。せっかくFace ID自体はとても高速でよく出来たものなのに利便性をスポイルしていると思いますし、せっかく物理ボタンの操作を廃して機械的消耗を抑えられるUIなのにサイドボタンを押させることに関しては理解に苦しみます。もちろん、どちらも安心感を優先したことなのでしょうけれども、どうも「くどい」と思ってしまうのです。


久しぶりにホームボタンとTouch IDの付いたiPhoneをあらためて使ってみると、やはりこれは一つの完成形で、てきぱきと操作できる優れた物だと感じます。いわゆる第2世代Touch IDなので、認証速度・精度も実用に足るレベルです。


とはいえ、4.7インチかつ16:9のディスプレイというのは、2020年に新規開発されるスマートフォンにはほぼ存在しない一昔前のスタイルです。

私は4年前、4インチの初代iPhone SEも買いました。2016年当時のスマートフォンのトレンドとしては、まだ16:9の時代ではあったもののサイズは5インチ台が主流。実際に使ってみて、Webサイトすら満足に見られず「今時のコンテンツにはこの画面サイズではもうついていけない」と落胆したことを覚えています。

その点では、2020年に4.7インチ16:9で出てきたiPhone SE(第2世代)はぎりぎりセーフだという印象。もちろん、18:9以上の今時の画面比率に慣れた目で見ると短い、狭いとは感じます。しかし、ここ数年のスマートフォンの画面サイズの変化は縦方向に集中していたためか、4.7インチでも幅に関しては致命的な不足は感じず、多少スクロールの回数が増える程度でなんとかなるものです。

はっきり言ってしまえば、アプリにしろWebサイトにしろ、2020年現在の一般的なサイズのスマートフォンを想定したコンテンツを見るには、4インチiPhoneの復活は非現実的でしょう。4.7インチのSE2は、実用性を損ねない範囲の小型端末としては絶妙なバランスです。


既存資産を有効活用して作り上げた廉価機という性質上、目立った新機能はありません。ただ、最新機能というわけではないものの、iPhone XS以降で対応した「eSIM」をTouch IDの従来型iPhoneで使えるというのは初めてのことです。楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」やIIJmioの「データプランゼロ」と組み合わせると使い方の幅が広がります。

カメラ:シングルカメラでも確かな画質


iPhone SE(第2世代)のカメラは、最近では珍しい単眼です。発表時のプレスリリースには「iPhoneとして最高のシングルカメラシステム」という巧妙な言い回しの一節がありました。

ベースとなっているiPhone 8を下回ることはないでしょうし、それから後にはシングルカメラのiPhoneはXRしかないので、こんなの言ったもん勝ちじゃないか……と一笑に付したいところですが、実際よく撮れるカメラです。

超広角や望遠はもちろん撮れませんが、そもそも普通のシーンでの写りは「たくさんカメラを積めば良くなる」なんてことはありませんし、スペック競争のために過剰な高画素化や多眼化に走った機種よりも好感が持てる仕様ではあります。

以下、作例はクリックして大きいサイズで見られます(サイトの仕様上、実サイズではありません)。

不自然な発色ではなく、ホワイトバランスが狂うことも少なく素直な写りです。基本がしっかりしていて見たままをきれいに撮れるので、飛び道具的な機能がなくとも満足度は高いです。

総評:懐古趣味に走りすぎず、価格以上の実力を持った最良のエントリーモデル


目新しさやキャッチーな新機能はありませんが、iPhone SE(第2世代)は非常に完成度の高い機種です。既存資産をうまく活用して、この価格ではなかなか得られない性能・機能を過不足なく詰め込んでいます。

悪く言えば“使い回し”の旧型ボディに最新のCPUを載せるという無茶をしていながら、発熱や電池持ちに大きな弱点を抱えているわけではなく、「見た目はそのまま、中身だけ快適に」という旧機種を気に入っている人にとっては理想的な提案です。iPhone 8譲りの防水やFeliCaにも対応しており、機能面でもほぼ不足はありません。カメラだって、実際どれほど意味があるのか分からないトリプルカメラやクアッドカメラのようなステータスにこだわらなければ、一線級の写りです。

iPhone 6~8を使い続けてきた人の買い替え先として、あるいは2020年現在の基準で実用的な範囲での小型端末を求める人にとって、魅力的かつお財布にも優しい有力候補です。

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