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3万円台から買える高性能小型デスクトップPC「ThinkCentre M75q-1 Tiny」を導入してみた

購入方法によっては最安3万円台から買える安価なデスクトップPCでありながら、高いポテンシャルを秘めていると話題の「ThinkCentre M75q-1 Tiny」。気になってつい購入してしまったのでざっくりレビューします。

「ThinkCentre M75q-1 Tiny」ってどんな機種?


「ThinkCentre」はLenovoが展開するビジネス向けデスクトップPCのブランドで、いわば「デスクトップ版のThinkPad」のような位置づけです。

一体型、小型、ミニタワーと様々な対応があるThinkCentreシリーズの全体像についての説明は割愛しますが、M75q-1 Tinyがどんな機種かを簡単に表すと、「AMD Ryzen搭載の小型デスクトップPC」の最新機種です。M715q Tinyの後継機として2019年12月に発売されました。

主な仕様としては、CPUは第3世代Ryzenで、SO-DIMM(ノートPC用)のDDR4メモリを2枚、M.2 NVMe SSDを1枚、2.5インチのSSD/HDDを1つ搭載できます。パーツ構成をカスタマイズして注文できるCTO販売の機種なので、もちろん購入時点で自分の用途に合わせてオーダーするのも良いのですが、メーカー製PCとしてはとても弄りやすく、最安構成で買って好みのパーツを選んで仕上げていくのも乙な楽しみ方です。

何を隠そう、価格.com限定モデルからメモリやストレージなどを削ると、Ryzen 5 PRO 3400GE搭載で最安3万円台からと異常なほどに安く注文できます。これをベースに格安高性能小型PCを組むのがマニアの間でプチブームになっているのです。

Mac miniのような感覚で置ける省スペースモデル


ThinkCentreシリーズの中でも、Tiny系の機種というのは2番目に小さい筐体を採用しています。光学ドライブがあるSmall系と比べると薄型で、大きさは約182×179×34.5mm、重さは約1.32kg(※最大構成)。他社製品でいえば、ちょうど「Mac mini」のようなサイズです。

スマートフォン2、3台分程度のフットプリントしかなく、狭いデスクに置いても圧迫感はありません。縦置き用スタンドやVESAマウント用ブラケットを併用すればさらに省スペースなPCになります。

端子類の配置をチェック


前面には、USB Standard-A、USB Type-C、イヤホン端子、マイク端子と電源ボタンが並びます。


背面には、電源端子、DisplayPort、HDMI、USB Standard-A(×4)と有線LANポート。右上の「1」「2」と書かれている部分には、オプションでシリアルポート、DisplayPort、HDMI、VGAのいずれかを追加できます。


本体サイズはMac miniに近いと書きましたが、Mac miniは電源内蔵でM75q-1 TinyはACアダプターを接続するため、設置に必要なスペースは少し違います。それでも、汎用パーツを中心に構成されていることを思えば驚くほどコンパクトです。

このACアダプターは、(USB PDに移行する前の)ThinkPadユーザーなら見慣れているであろう角型端子を採用しています。標準添付されるのは65Wですが、省電力性を犠牲にしてでもフルパワーを引き出したい人は別売の135W ACアダプターも一緒に買っておきましょう。

拡張性の高さと扱いやすさはさすがの「Think」ブランド

実は私、ThinkPadはたくさん買ってきましたが、デスクトップのThinkCentreは今回が初購入でした。さっそくパーツを交換しようと分解してみると「なるほど、さすがThinkだな」と扱いやすさに納得。


背面のネジを1本外して筐体をスライドさせると、片面が大きく開きます。右側の黒い枠には2.5インチのHDDまたはSSDを取り付けられますが、今回はスルー。


裏返るとまたまたフタがあり、スライドさせるだけでメモリやM.2 SSDを交換できます。メーカー製PC、それも容積1Lクラスの小型PCとは思えないほど、筐体内部へのアクセスがしやすい機種です。


標準搭載のSSDは2242サイズなのに、2280サイズにも対応したサーマルパッドがあらかじめ貼られているため、交換する際も余計な手間がかかりません。また、一般的なネジ止めではなく、パチンと押し込むだけで固定できるパーツが付いているのもいいですね(※青色の部品)。分解からSSD交換まで、一切工具を使わずに完結できてしまいます。

使ってみた感想


ひとまずありあわせの手持ちパーツで組んだので、SSDはそのうちノートPC(LG gram)の物を交換しようと眠らせていた「970 EVO Plus」512GB、メモリは余っていた32GB×1という少々いびつな構成。

第2世代までほど顕著ではないとはいえ、Ryzenはシングルチャネルとデュアルチャネルの性能差が比較的大きいそうですし、落ち着いたらメモリはもう少しちゃんとした構成に変えようと思っています。


基本的にテキストエディタかブラウザベースの作業が中心、唯一それなりの負荷をかけるのはAdobe製品(PhotoshopとLightroom Classic)という私の用途だともったいないというか向いていない気もしますが、そこそこ快適に使えています。

また、小型PCにもかかわらず、起動時や極端な高負荷時を除けば、耳をすまさないと気付かないほどにファン音が静かなのは嬉しい誤算でした。省スペース、静音、低コストと三拍子揃った優秀かつ遊びがいもあるマシンです。

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