5G時代の新フラッグシップ「Galaxy S20 5G SC-51A」レビュー

ここ数年、Galaxy Sシリーズを毎年買っている筆者ですが、「今年はZ Flip買っちゃったし、S20は買わない!」と決めていました。発売日ぐらいまでは。

ところが実機を見たら意外といいかもと思ってしまい、4月上旬につい購入……もはや、「今年は大して変わってなさそうだからいらないや」(発表日)→「あれ、意外といいかも?」(発売前後)→無事IYH完了、という流れがテンプレ化してしまっていることに自分で引いています。

そんなことはさておき、メイン機として1ヶ月ほど使ってみたので、そろそろレビューしておこうと思います。なお、5G目当てで買ったわけではない&近くに5Gスポットがないのでまだ試せていません。5G周りの評価は今回はしませんのでご了承ください。

「Galaxy S20 5G SC-51A」ってどんな機種?


「Galaxy S20」シリーズは、サムスンのフラッグシップスマートフォン「Galaxy S」シリーズの11世代目にあたります。S20/S20+/S20 Ultraの3サイズ展開で、日本ではUltra以外の2機種がドコモとauから発売されました。S20は両キャリアの5Gスマートフォン第1弾にもなっています。

両端が湾曲したエッジスクリーンにパンチホール型インカメラと画面内指紋認証を組み合わせたベゼルレスデザインは、前世代のGalaxy S10のスタイルを踏襲。本体サイズはほぼ変わらず、画面サイズは6.1インチから6.2インチに拡大されました(縦横比をやや縦長に変更)。カメラは超広角+広角+望遠(※後半で補足)のトリプルカメラです。

今回は、NTTドコモ版「Galaxy S20 5G SC-51A」の「クラウドホワイト」を購入しました。個人的に「Exynosの海外版にするか、FeliCa搭載でSnapdragonの国内版にするか」は毎年悩むポイントなのですが(重症な年は両方買うことも)、今回は5G開始時期の兼ね合いで国内版の発売時期が例年より少し早く、海外版とのタイムラグが少なかったので素直に国内版です。

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外観:ますます狭額縁化してスマートに


1年前のS10の時点でもS8/S9と比べて狭額縁化が進んでいましたが、S20はもう一歩進んでNote10+並みの“全画面感”があります。ベゼルが狭くなっただけでなく、インカメラのパンチホールも最小限のサイズに。ひと目で最新のハイエンドモデルらしい新鮮味を感じられるポイントです。

本体サイズはS10よりわずかに縦に伸び、横幅が狭くなりました。一方、画面サイズは6.2インチに拡大。振り返ればボディーの大きさはS8からあまり変わっておらず、当時はS8だって「ホームボタンが無くなって全画面になった!」と新鮮だったのに、わずか3年で5.8インチからここまで画面を大きくできるほどベゼルレスになったのだなあと進化の速さに改めて驚きます(縦横比も変わっているのでそれだけではありませんが)。


画面の左右を曲げたエッジスクリーンを引き続き採用していますが、S20の画面左右の湾曲はS10以前よりも少なくなり、ほぼフラットに。最近の他社ハイエンドモデルではもう一歩進んで、直角に近い角度を付けて側面まで画面を大きく回り込ませた「ウォーターフォールディスプレイ」というものが出始めていますが、この手の変形ディスプレイの先駆者といえるサムスンはこの流れに逆行しているのが興味深いところです。

もっとも、GalaxyシリーズではNote EdgeやS7 edgeのようなエッジ初期の機種をピークにエッジを活用した機能の存在感は年々薄れているように感じますし、一番乗りで挑戦したメーカーだからこそ、側面ディスプレイの利用価値やデメリット、ユーザーの反応などの“理想と現実”を知った結果なのかなとも思います。


背面は3Dガラスで覆われ、四隅は丸みを帯びたS8~S10に近いフォルムです。日本版は例によってサムスンロゴではなく「Galaxy」。そしてドコモ版は中央に「>>5G」のロゴが入ります。

クラウドホワイトの色合いについても少し触れておきましょう。スマートフォンの色としては白は定番ですが、Galaxy Sシリーズには数年間無かった色で、昨年のS10で復活しました。

しかし、S10のプリズムホワイトはやや青みがかった色で、角度によって表情が変わる特殊加工もガッツリ入っていて純粋な白とは少し違います。S20のクラウドホワイトも見る角度によって虹色に光りますが、少し控えめになり、ベースの色も真っ白に。Note10+よりは少し寒色寄りで、色合いのイメージとしてはS10とNote10+の間ぐらいかと。

こればかりは好みの問題だと思いますが、「白のGalaxy Sシリーズ」を待ち望んでいたユーザーとしては、昨年より落ち着いていて高級感もあり、大満足のカラーです。欲を言えば、フレームは今時のギラギラ光沢仕上げよりもS9以前のほうが好きだったなぁ……。


カメラユニットは最近増えている「大きめの長方形」で左上に配置されています。発表からの数ヶ月でこういうデザインの機種が増えて見慣れてきたというのもありますが、黒塗りで個々のカメラは過度に主張せず、手にすると見た目の違和感は思ったほどありませんでした。ただ、平らな場所に置いたときのガタつきはやはり大きいですね。


側面を見ると、フレームがS10までよりも細くなり、繊細で高級感のあるデザインに。S10 5GやNote10+のように、ボタン部分以外はフレームを限界まで細くして、ガラスを主役にした質感の良いボディーに仕上げられています。


昨今の状況ではなかなか実機展示は見られないでしょうし、公式画像ではあまり目立たないので意識せず選ぶ人も多いかもしれませんが、背面のカラーに合わせてフレームの色も違います。クラウドブルーなら青系、クラウドホワイトなら光沢のあるシルバー。「どうせケースで隠れるから何色でも同じ」と思われがちですが、クリアケースではなくデザイン性の高いケースを着ける予定の人はクラウドホワイトを選んでおくのが無難かもしれません。

スペック・動作:ついに来た120Hzディスプレイ、そしてバッテリー増量

Galaxy S20 5G SC-51Aのスペック表
SoCSnapdragon 865
メモリ(RAM)12GB
内部ストレージ(ROM)128GB
外部ストレージmicroSDXC(最大1TB)
画面サイズ・方式6.2インチ 有機EL
画面解像度3200×1440(WQHD+)
バッテリー容量4000mAh
充電端子USB Type-C
OSAndroid 10
アウトカメラ約1200万画素(超広角)+約1200万画素(広角)+約6400万画素(望遠)
インカメラ約1000万画素
サイズ約152×69×7.9mm
重量約163g

私はスマートフォンを選ぶとき、毎日使う道具として負担にならず、ストレスなく扱えるサイズ感を重視しています。当然、S8、S9、S10と毎年、大画面の+ではなく小さい方を購入してきましたが、無印と+には大きさ以外に性能・機能の差もあり、目玉機能がなかったりメモリが少なかったりと割を食っていた部分も正直あります。

その点、S20シリーズのスペックは無印派にとっては歓迎すべき点が多いように思います。2年前のS9までは4GBしかなかったメモリは、今やS20+やNote10+と同じ12GBになってトップクラスの大容量。毎年ネックだったバッテリー容量の少なさも改善され、一気に4000mAhまで増えました。

ただ、残念ながら実際の電池持ちはそれほど良くありません。5G対応というのもありますが、5Gをオフにして4G/3Gモードで運用していても、S10とあまり変わらない印象。やはり5G対応の兼ね合いでモデム独立型となったSnapdragon 865は電池持ちという点では不利でしょうし、次世代以降での再統合が待たれます。


ディスプレイの進化にも注目です。画面解像度はWQHD+で縦横比の変更に伴って少し伸びただけですが(3040×1440→3200×1440)、ついにGalaxyも120Hzの高速駆動に対応しました。

数年前までは携帯端末での高速表示はシャープのハイスピードIGZO搭載機ぐらいでしたが、最近はゲーム需要の増加などからハイエンドスマートフォンでは当たり前の機能になりつつあり、Galaxyの対応も自然な流れでしょう。スクロールなどの表示が滑らかになる高速駆動は、十分な処理性能があることが前提となりますが、未体験の人が想像する以上にいろいろな場面で体感動作が良くなり恩恵を受けられる機能です。先述の電池持ちを考えると多用しにくいのが惜しまれます。

スペックの参考に、ベンチマークアプリの計測結果を以下に載せておきます。


(Geekbench 5のスコア)

(3DMarkのスコア)

UI・機能:操作性の良いOne UI 2に充実の先進機能

Galaxy S20には、S10以降の「One UI」の発展形で、Android 10のGalaxyシリーズ各機種に搭載される「One UI 2」という独自UIが実装されています。

One UIと同様に、スマートフォンが年々大型化する中で犠牲になっていた片手での操作性を高めるように配慮されており、標準アプリなどの主要操作は画面の下寄りで完結。縦長なアスペクト比を採用するS20シリーズやZ Flipとも相性が良いUIです。旧バージョンとの違いはそう多くないため、Galaxyの従来機種からの買い替えならすぐに馴染めるでしょう。


機能面では、超音波式画面内指紋認証、他のQi対応スマートフォンやワイヤレスイヤホンを充電できる「ワイヤレスパワーシェア」などの機能を搭載。初見では未来感があり先進性を感じられる機能が揃っている一方、ほとんどが前世代から受け継いだものでS20ならではの画期的な新機能は少なく、フラッグシップモデルとしては少し寂しくもあります。


IP68の防水・防塵仕様で、国内版はFeliCa・おサイフケータイにも対応。なお、今世代からワンセグ・フルセグには対応しません。

少し使いにくいなと思ったのが、FeliCaアンテナの位置。Galaxyはなぜか昔から中途半端な位置に付いている機種が多く、今回は5G用アンテナの追加などでさらに詰め込まれているでしょうから搭載スペースがないのは想像に難くありませんが、それにしてもこれはちょっと……。右手で持つとどうしても手で覆ってしまう位置なので、かざす際に持ち方を工夫する必要があるのは少々不便です。

カメラ:S10の完成度の高さを再認識


慣れ親しんだ扱いやすいサイズに快適な動作、トータルの使い心地としてはおおむね満足しているGalaxy S20ですが、カメラだけは正直期待外れでした。決して悪くはないものの、「S10やNote10+の方が良かった」とも思ってしまうのです。

S20のカメラ構成は、約1200万画素(超広角)+約1200万画素(広角)+約6400万画素(望遠)のトリプルカメラ。ただし、望遠については正確に言えば望遠“役”のカメラに過ぎず、実際の焦点距離は広角とほぼ同じです。

(※以下、作例はクリックして大きいサイズで見られます)

高画素センサー+広角レンズで撮影した画像を切り抜いて擬似的にズームするという考え方は、本格的なカメラの大型センサーで実践する分には重いレンズを持ち歩かずとも手軽に扱えて重宝する良い手法ですが、画素数こそ多くても携帯端末の豆粒センサーで切り取り前提の運用をするというのはあまり感心しません。

ましてや、わざわざ広角カメラを2つ用意して片方をクロップ望遠用にするというのではメリットは少なく、せいぜい疑似ズームの倍率を細かく調整できるという程度。真の望遠カメラを搭載していたS10と比べると、シーンによっては粗が見えます。


(シーン別最適化OFF)

(シーン別最適化ON/夜景)

カメラ配置や形状の変更が災いしているのか、それとも新しいレンズが良くないのか、夜景を撮ってみると強い光源にとても弱くなっていることにも気付きます。ある程度は仕方がないことですが、画面外の街灯などで思わぬ影響が出ることがあり、S10よりも慎重な構図選びが必要でした。

とはいえ、決してまるでダメなカメラというわけではありません。2020年のスマートフォンに求められる実用水準は十分に満たしている画質です。発色の傾向はややこれまでのGalaxyとは違い、どちらかといえばSNS映えを意識した派手めの写りに。シーン別最適化までかけると少々やりすぎなきらいもあります。


今回のベストショットはこの1枚、けっこう美味しそうに撮れていませんか?香家の担々麺は実際おいしいのでおすすめです。

総評:S9以前からの買い替えにはオススメ、S10ユーザーなら今年は“待ち”


Galaxy S20はサイズとスペック、価格のバランスが取れた構成で、Galaxy S9以前からの買い替えや真っ先に5Gスマートフォンを手にしたい人にはおすすめできる機種です。

ミリ波非対応という理由もありますが、海外での5G初期の機種のように大きい・重いということはなく従来のスマートフォンの感覚で使えます。価格も10万円強で同等クラスの4G端末とほぼ変わらず、AQUOS R5Gなどの競合機種と比べると手頃です。

一方で、S8、S9、S10と毎年買ってきて、年間十数台のスマートフォンを買う中でもGalaxy Sシリーズを特に好んでメイン端末として使ってきた一ユーザーの率直な感想として「S10ユーザーなら今年は様子見でもいいんじゃないかな」とも感じています。買い換えるべきと断言できるほどのキラー機能はなく、カメラなど「最新モデルが最良」とは言い切れない部分があるためです。5Gも本格展開はまだ先ですし、焦らずじっくり検討しても良いと思います。

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