iPhone SE(2020)はなぜ安い?

Appleは4月16日、「iPhone SE」(第2世代、2020年モデル)を発表しました。4.7インチ液晶ディスプレイを備えるiPhone 8と同等のボディーに、最新のiPhone 11シリーズと同じ「A13 Bionic」チップを搭載した改良版です。小型iPhone派やTouch ID(指紋認証)派にとっては待望の機種で、44,800円(税別)からという安さも魅力です。


(写真はiPhone 8。ゴールドは残念ながらiPhone SEにはありません)

iPhone SE2やiPhone 9として数ヶ月前から噂が流れていたこの機種は、値下げされながら2年半に渡ってラインナップに残り続けてエントリーモデルとしての役割を果たしてきた「iPhone 8」の後継機種という扱いです。末期のiPhone 8の価格を考えると5万円以下というのは自然ですが(※SEの登場と入れ替わりで8は終売)、あらためて考えてみると「11並のスペックでこの値段?安すぎない?」と思う方も少なくないのではないでしょうか。

その理由はいくつか考えられますが、まず、たしかにiPhone SEにはiPhone 11シリーズと同じ「A13 Bionic」が搭載されますが、逆にそれ以外の部分を見るとあまり新たなコストはかかっていません。ボディーはiPhone 8の設計をそのまま流用していますし、フロントパネルもボディカラーを問わず黒で統一した(前面が白いモデルがない)ことでパーツの種類を減らしてコストダウンしていると考えられます。


性能面でも、A13 Bionicを搭載したということ以外は大きな進化はしていません。メモリ容量やバッテリー容量をAppleは基本的に公開しない姿勢なので、第三者の分解レポートが出てくるのを待ってみないと真相は分かりませんが、公式サイトの比較表では電池持ち時間が「iPhone 8とほぼ同じ」と出ます。バッテリーの容量はおそらく同じでしょう。

また、A13 Bionicを使うということも必ずしも大盤振る舞いというわけではないはずです。例年通り秋に上位モデルが代替わりするとすれば、A13 Bionicを搭載する現行モデルの生産を続ける期間は残りわずか。在庫処分的な有効活用とも捉えられます。

また、「3D Touch」などコストカットのために省略された機能があり、型落ちになってから廉価版ポジションに落ち着いたiPhone 8と、生まれながらにして廉価版であるiPhone SEには、機能面での格差が多少あります。

このように、安さにはしっかり理由があって「驚くほど安い」わけではないのですが、それでも高性能でコンパクト、そして慣れ親しんだホームボタンのある最新iPhoneという点においては、十分すぎるほどの魅力がある機種だと思います。

Source: Apple

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