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スタイリッシュなビジネスPC新シリーズ「ThinkBook 13s」レビュー

※今回は、レノボ・ジャパン様より実機をお借りしてレビュー記事を執筆しております。

2019年、LenovoのノートPCラインナップに突如登場した「ThinkBook」という新シリーズ。一見どこにでもありそうな金属筐体の現代的なモバイルノートPC、それも廉価版のような価格帯の機種に、ビジネスPCの王者たる格式高い“Think”の名を与えるなんて……と、誤解を恐れずに言えば「ブランドの安売り」のような失望感を抱いたファンもいたのではないでしょうか。

私もこの新シリーズには疑問を抱いていたThinkPadファンの一人ですが、「ThinkBookとは結局何なのか」を少しでも知るために試用してみることにしました。


13.3インチの「ThinkBook 13s」をお借りして、まずは外観をチェック。銀色(ミネラルグレー)の筐体はThinkというよりIdeaPadやYogaシリーズに近い雰囲気ですが、商品画像で見るよりも「おっ、意外と質感いいかも」というのが第一印象でした。


閉じた時のフォルムに一体感があり、裾を絞った台形の断面形状もスタイリッシュ。後ろに飛び出している円筒形のヒンジはこのシリーズ特有のもので、Thinkブランドのビジネスノートに求められる180度開閉を実現するため、そして耐久性の基準を満たすために、あえて最近の薄型モバイルノートの主流とは違う形のヒンジを採用しているようです。

端子の数は多くはありませんが、USBポートがType-Cオンリーではないのはもちろん、変換ケーブルなしでHDMI出力ができるあたりはちゃんとビジネスPC。充電はUSB Type-Cではなく角型端子です。


反射で目が疲れにくいアンチグレア仕様なのも仕事用ならうれしいところ。薄型でスペースが限られている中でも、インカメラを物理的に遮断できるシャッターを付けている配慮も見逃せません。

また、最近の13インチクラスは一昔前の11インチクラスのフットプリントに近いほどの小型化が進んでいますが、その手の機種は狭額縁化(ベゼルレス)が小型化のカギなので、必然的に画面の高さが下がることになります。ThinkBook 13sは左右方向こそ狭額縁にしているものの、上下、特に画面下側のベゼルを広めに取ってあるので目線を下げずに済み、首が疲れにくいのはいいですね。ルックス重視ならベゼルは削れるだけ削った方が良いのでしょうけれど、仕事道具ですから。


ここまで色々褒めてきましたが、正直なところ、キーボードだけは「これでThinkはどうかな……」とやはり思ってしまいました。

軽量マシンというわけでもない割にはたわみが大きいですし、EnterやスペースキーあたりはLenovoの“Think以外”の機種にありがちな、キー配列を作り分けるコストを削減するための不自然に詰まった配置。他の部分でビジネスPCとしてしっかり考えられている印象を受けただけに、「廉価版」という現実に引き戻される要素でした。とはいえ、キーストロークがかなり浅いものの打てないキーボードではありません。


結論としては、ThinkPadとIdeaPadの間を埋める「安いけれどビジネス利用にもしっかり配慮したPC」としてはよく出来ていると思います。ThinkPad支給の会社で、普段はノートPCを使わないポジションの人が長期出張やリモートワークで突発的に新しいPCが必要になった、なんて場面では最適解かもしれませんね。

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