
ケンジントンの新型親指トラックボール「Pro Fit Ergo Vertical」レビュー
「ExpertMouse」「SlimBlade」などの大玉トラックボールが有名なケンジントンから、親指トラックボールの新型「Pro Fit Ergo Vertical」が発売されました。公式Twitterでひっそりと国内発売がアナウンスされ、2月21日頃にAmazon.co.jpに登場。これは親指トラックボール派としては買わずにはいられないと即注文しました。初回入荷まで1ヶ月近くかかるような表示だったのに、まさかの2月中に到着するサプライズで大歓喜。
名前の通りエルゴノミクスデザインを採用しており、手のひらを立てかけるようなポジションで使う縦型の親指トラックボール。マウス界でも「MX Vertical」などをきっかけにじわじわ認知されつつある手首の負担を減らすための設計ですね。ただでさえ種類が少ない親指トラックボール界では初登場です。
角度を付けて手首を減らすという意味ではロジクールの「MX ERGO」と似ていますが、Pro Fit Ergo Verticalはさらに立てたポジションで、60°となっています。本体に手を乗せるというより、手の側面を机に置いて手のひらを添えるような感じ。
使ってみた感想としては、このポジションが本当に楽かどうかは利用環境にかなり左右されると思います。机と椅子の高さをしっかり調整してある環境で使う分には快適。座高や椅子の高さに対して机が低かったり、アームレストが無かったりと整っていない環境で使うとかえって違和感があるかも。だいぶ思い切ったポジションなので、エルゴノミックな作業環境にこそ馴染むかと。
ホイールはチルト対応で、硬めの手応えがあり操作音は大きめ。ボタンは充実しており、クリックボタンの左、頂上の部分に2つ(デフォルトでは戻る/進む)、ボールの左側に3つ。左側のボタンの一番手前は接続切り替えボタンになっていて、付属のUSBレシーバーを使う無線接続とBluetooth(2台)を簡単に切り替えて使えます。左側から親指を回して押すのが正しいはずですが、真上から押しても反応するので移動の負担は見かけより少ないです。
ボール周辺のスペースはすり鉢状に削られていて、上下左右のどちらにも可動範囲は広め。出荷状態ではカリカリと擦れるような音がしたので他のボールを試してみようかと思いましたが、出荷状態ではやや潤滑が足りないようで、調整したら良い具合になりました。
底面には電池ボックスがあり、単3形×2本が必要。USBレシーバーを収納できるスペースもあります。そのほかに電源スイッチ、DPI切り替えボタン、ペアリングボタンがあります。上の丸いボタンはボール取り出しボタンです。
エルゴノミクスデザインだと裏側からボタンを押し出すことができないので、この機能はマストですね。トラックボールを快適に使うには支持球やセンサー周辺の掃除が欠かせません。
ロジクールのハイエンドシリーズであるMXの一員として「MX ERGO」が出た頃を境に、ニッチなジャンルだった親指トラックボール市場はどちらかといえば上向きになっていると思います(今もニッチなことには変わりないのですが)。
「Pro Fit Ergo Vertical」の縦型×トラックボールという組み合わせは唯一無二。Bluetoothやチルトホイールすら数年前までなら親指トラックボールにはありませんでしたから、最新のトレンドが持ち込まれたのは驚きです。ポジションが特殊なので多少人を選ぶと思いますが、手首の負担を減らす設計と親指トラックボールの相性は良いですし、MX ERGOよりもっと角度を立てて使いたかった人には良いと思います。
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