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ファーウェイのスマホを「Playストアなし」で使ってみた

米国の制裁によって、Mate 30シリーズ以降の新機種にGoogleアプリを搭載できないという事態に陥っているファーウェイ。日本市場にはまだGoogleなしのスマートフォンは投入されていません。当面はP30シリーズやnova 5Tなどの既存機種を売ってしのぐということも十分考えられるでしょう。

お膝元の中国は特殊な市場環境なのでともかく、他国での展開を考えるとGoogle Mobile Service(GMS)を利用できないというのはかなりの痛手。Android OSとGoogleの各種サービスは密接に紐付いており、中でも「Playストア」を通じて膨大な数のアプリ群を利用できないというのは大きな欠点になります。


ファーウェイは独自のアプリストア「AppGallery」を持っており、一連の騒動が起きる以前から日本向けのSIMフリーモデルにもプリインストールされています。

今回はHUAWEI nova lite 2を使い、「Playストアなし、アプリの入手はAppGalleryだけ」でどこまで使えるのか、検証してみました。


なお、単に「Playストアなし」というだけであれば「Amazonアプリストア」を利用する手もありますし、実際に2020年1月時点ではファーウェイ製端末でも問題なく利用できます。ただ、そもそもGoogleがGMSを提供できないのは米国企業だから……というところに立ち戻ると「Playストアが使えなくてもAmazonアプリストアがあるから大丈夫」とはとても言えません。あくまで今回はファーウェイのエコシステムの中で完結した状態でどこまで使えるかを確かめたいと思います。

一旦まっさらな状態にした端末で、HUAWEI IDだけログイン。もちろんGoogle関係の機能は全部オフです。


こちらが「AppGallery」。おすすめのアプリやカテゴリー、ランキングなどのメニューが並び、よくあるアプリストアという感じです。


初回起動時に表示される「おすすめのアプリ」は日本向けの内容。ビックカメラやエディオンはAppGalleryにも公式アプリを出しているのですね。そして何より「LINE」があるのは大きい。ライトユーザーを中心に、LINEが使えればとりあえずOKという人はけっこう多いはず。

ランキングなども一応日本向けの表示内容のようですが、1位がTrip.com、2位はタウンWi-Fi、3位はQRコードリーダーとちょっと頼りないラインナップ(失礼)。やっぱり主要サービスはあまりないのかな……。ちなみに、“一応日本向けっぽい”と書いたのは、検索数上位のアプリがVPN関係ばかりだったりと中国本土のデータと共通なのかな?という部分も見られたためです。


電話、SMS、カメラ、ギャラリー、カレンダー、メールなど主要機能はファーウェイ製のアプリがプリインストールされているので探す必要はありません。

これは機種や仕向地によっても違うと思いますが、今回の検証に仕様した日本版のnova lite 3にはChrome以外のブラウザが入っていなかったので、まずはブラウザをAppGalleryで探してみます。ファーウェイの純正ブラウザが検索にヒットしました。


しっかり日本語化されていて問題なく使えます。とりあえずブラウザさえあれば、アプリが手に入らないSNSも、快適かどうかはともかく最低限見られます。

Twitterアプリもあった……かと思いきや、Playストアにリダイレクトされるだけ。Amazon関係だとプライムビデオのアプリが見つかりましたが、これも同じ挙動。

今回はPlayストアが入っている端末で縛りプレイをしているだけなので、本当にPlayストアが入っていない端末なら違う挙動になる可能性も否めませんが、使えない可能性もありそうです。


地図アプリは絶望的な状況。中国用のものしか見つかりませんでした。ただし乗換案内はジョルダンのアプリが配信されているので、公共交通機関での移動が中心ならセーフ。


実はこの乗換案内アプリには地図機能も搭載されているので、日本の地図を見る裏技としても使えます。複雑なルート検索などが不要なら十分これでまかなえそうです。Googleではなくゼンリンの地図データというのも安心。


国内の決済系アプリは全滅。タクシー配車アプリは「DiDi」なら使えました。元が中国のサービスなので当たり前といえば当たり前ですが、中国版だけでなく日本版のアプリも配信されています(※この2つは互換性がありません)。


米国企業のアプリなので少し意外でしたが、「Microsoft 翻訳」もAppGalleryで配信されていました。Mate 10シリーズあたりから一部のファーウェイ製端末にプリインストールされているアプリでもありますね。


ゲームアプリは期待しない方が良いです。ハイスペックなMate 30シリーズでゲームを遊びたい、なんて人は残念ながら諦めて他の機種にした方が……。

所感

その市場にまだ定着していない独自アプリストアはこんなもの、とある程度見てきた上で触っているので「思ったよりは知っている日本のアプリもちらほらあるなあ」という感想ですが、やはり、広く普及した後のPlayストアやApp Storeしか知らない大多数のユーザーから見たら「必要なアプリが何もない」と感じるでしょう。


今春以降の製品でどういう戦略を取っていくのかはまだ分かりませんが、日本で「AppGallery」だけで使うのは現状ほぼ無理。下手をすると「ファーウェイのスマホはアプリが全然使えない」などと思われてこれまで築き上げてきたものを崩してしまう可能性もありますから、仮に日本でもっとAppGalleryを育てていくとしても、せめて半年はPlayストア対応の既存機種の延命で凌ぐほうが得策なのではないかと考えます。

Mate 30シリーズなど日本未発売のPlayストア非対応機をどうしても使いたい人にアドバイスするとしたら、AppGalleryでの運用は無理でも、Amazonアプリストアは数年前と比べれば雲泥の差があるほどにラインナップが充実してきているので、一通りなんとかなるのではないかと思います。ただし、Amazonも米国企業ですから100%今後も使えるという保証はないことを踏まえた上で検討してみると良いのではないでしょうか。

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