【スマホ用語辞典:第51回】防水スマホの「IPなんとか」ってなに?

防水・防塵仕様のスマートフォンなどのスペック表を見ると「IP○○」という表記がよく出てきます。これは、防水性、防塵性のレベルを表すものです。

最初の「IP」というのはIngress Protection、侵入に対する保護という意味です。これぐらいの物までは機器の中に侵入しないように作られていますよ、というのをIP規格では数段階の数字で表しているのです。

前の数字は「人体・固形物体に対する保護」、後ろの数字は「水の侵入に対する保護」を表します。もっと分かりやすく言えば「防塵関係が先、防水関係が後」です。

たとえばIP68と書かれている機種があったとすると、防塵性能は最高の「6=完全な防塵構造」、防水性能も「8=水面下での仕様が可能」ということになります。

防塵の等級は、スマートフォンなどでは4以下の等級をわざわざ記載することはほとんどありません。なぜなら、IP2Xなら「指が入らない」、IP1Xなら「手が入らない」とモバイル機器のサイズでは当たり前であまり関係がない規格です。

防塵関係でよく使われるのはIP5X(粉塵からの保護)とIP6X(完全な防塵構造)の2つ。違いが分かりにくいかもしれませんが、「まったく粉塵が入らないわけではないけれど動作や安全性に支障は出ない」のが5、「侵入を完全に防いでいる」のが6です。

防水関係は少しややこしく、実は単純に数字が大きいほど強いというわけではありません。「水の直接噴射」からの保護性能を表すIPX5やIPX6、「水中に沈めても内部に水が入らない」ことを表すIPX7、「水面下でも動作する」ことを表すIPX8と、少しテスト内容と等級の意味合いが少し違うのです。このため、より正確に防水性能を表したい場合は「IPX5/IPX7/IPX8の防水性能がある」といった書き方になることがあります。

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