
ドコモのLTEサービス「Xi」開始から9周年、5Gのサービス名はどうなる?
NTTドコモは、2010年12月24日にLTEサービス「Xi」(クロッシィ)の提供を開始しました。当初の対応端末はデータカードのみで、翌年にかけてモバイルWi-Fiルーター、タブレット、そしてスマートフォンに展開されました。
開始当時の理論値は、最速エリアで下り最大75Mbps。多くのエリアは下り最大37.5Mbpsでした。9年後の今は下り最大1576Mbpsまで高速化されました。そして、2020年春には5Gの商用サービスが開始される予定です。
2Gはmova、3GはFOMAとくれば、もちろんLTEにも独自のサービス名を……ということで生まれたXiという名称。しかし、2012年には「au 4G LTE」、「SoftBank 4G」(AXGP)と「SoftBank 4G LTE」(LTE)が始まり、他社は規格の名前をそのままサービスに使って来た結果、Xiのことを知らない一般ユーザーから見れば「ドコモだけ4Gやってないの?」となってしまう事態に陥るというまさかの大失敗。
結局、2013年頃から「docomo LTE Xi」という呼び方が出てきて、LTE-Advanced開始時には「PREMIUM 4G」に。Xiの名を冠するプランもすでに無くなり、今となっては契約種別などにひっそりと名前が残るだけになってしまいました。
さて、来春にサービス開始を控えた5Gのサービス名はどうなるのでしょう。Xiの犠牲を無駄にせず、このまま「docomo 5G」で行くのがベストだと思うのですが……。
Source: NTTドコモ
余談:3.5~3.9Gと4Gの話
以下、余談。「もう分かりにくいサービス名を付けてもいいことないよ」という話をしてきましたが、実はひとつだけ、3社のサービス名の付け方の中でドコモが一番偉かったと思うこともあります。「4G」という言葉を最後まで使わなかったことです。
先述の通り、auとソフトバンクはLTE開始時から「4G」を名乗っていましたが、当時の見方としてはLTEはまだ「3.9G」でした。しかし、国内外問わず早く4Gと宣伝したいキャリアがサービス名に「4G」というワードを使い、なし崩し的に……という歴史があったのです。ひどい例では3.5GのHSPA+を4Gと呼んでしまうところまであったほど。
そんな中で、2015年のLTE-Advanced導入まで4Gを名乗ることがなかった姿勢には、通信事業者としての矜持を感じます。