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「Galaxy Note10+ SC-01M」レビュー。LTE時代のハイエンドスマホの決定版

NTTドコモの2019-2020年冬春モデルとして発売された「Galaxy Note10+ SC-01M」を購入しました。使ってみた感想を交えつつ、外観や機能、スペック、カメラ性能などをレビューしておきたいと思います。

「Galaxy Note10+ SC-01M」ってどんな機種?


「Galaxy Note10+」は、サムスンのフラッグシップスマートフォンのひとつ「Galaxy Note」シリーズの最新モデル。2019年8月に海外で発表され、日本では10月18日にドコモとauから発売されました。

Noteシリーズの特徴である大画面と専用スタイラスペン「Sペン」は今回も健在。SoCは「Snapdragon 855」を搭載し、メモリ(RAM)はなんと12GB。メモリ容量と6.8インチという画面サイズは、いずれも“ドコモスマートフォン史上最大”となっています。ドコモ網でのLTE通信速度(理論値)は下り最大1576Mbpsで、こちらもトップクラス。

ドコモ版とau版ではカラーバリエーションが異なり、今回ご紹介するAura Whiteはドコモのみ。au版にはその代わり、Aura Glowというホログラムおりがみのような独特なカラーがあります。

外観:12万円の端末にふさわしい高級感


6.8インチのスマートフォンと聞くと一体どれだけ大きいのか、ほとんどタブレットじゃないか……と思ってしまいますが、ベゼルレス設計で端末自体のサイズは6.4インチのNote9とほぼ代わりません。Note10+は約162×77mm、Note9は約162×76mm。厚さは8.8mmから7.9mmに薄くなり、断面形状も改良されたのでむしろ若干持ちやすくなったように感じるほど。


背面は定番のガラス張りで、カメラは縦向きに並んだ配置。春にS10を初めて見た時は「カメラが横並びになるとなんだかNoteシリーズっぽいな」と個人的には思ったのですが、振り返ってみると今年は両シリーズのデザインが入れ替わった感じですね。

前面の話に戻ると、S10では右上にあったインカメラ(パンチホール)が中央に移ったのは気に入っています。このほうがステータスバーが奇妙な表示にならずに済みますし、同じ中央にインカメラを置くレイアウトでも、ノッチ(水滴型含む)と比べれば画面が欠ける面積は最小限で済むので、今の技術で可能な方法としてはこれが良いのではないかと。スライド式やポップアップ式は故障リスクや重量増という別の問題がありますし……。

前面と背面がガラスパネル、その間にアルミフレームという構成自体はここ数年のGalaxy SシリーズやNoteシリーズではすっかり定番。画面の端がラウンドしているのだって、もう4年前から見慣れたものです。

そういう意味ではNote10+も「いつも通りのGalaxyのデザイン」だと思っていたのですが、手にしてから驚きました。前後のガラスが同じようにラウンドしていて、極細のフレームでつなぎ合わせられているのです。加工精度の高さが前提となり、決してどこのメーカーのどの価格帯の機種でもできるデザインではありません。画面と極細の縁とインカメラしかない前面も迫力があってすごいですし、12万円の高級機らしい所有欲を満たすデザインと質感に満足。

この「側面がほぼない」デザインは持ちやすさにも貢献していますね。サイズが大きいのは事実なので誰にでも勧められるわけではありませんが、Note8やNote9からの移行なら、ほぼ変わらないはずのサイズに意外な好印象を受けるのではないかと思います。そして持ちやすさは体感重量も少し軽くしてくれるはず。


今回、ドコモ版を選んだ理由のひとつはこの色。クセのない上品な白のGalaxyをずっと待っていたのです。好みの問題ですが、ここ数年流行しているギラギラした派手な色があまり好きでなく、どうも高級感がないというかおもちゃっぽく見えてしまうもので……。

FeelやFeel2のような廉価機にはホワイトがありましたが(そっちはそっちで買っています)、定番カラーのようでハイエンドのGalaxyではしばらく白系のカラーバリエーションがありませんでした。S10にもホワイトはありましたが少し特殊な色でしたし、やっと来たかという感じで暇さえあれば眺めています。

スペック・動作:文句なしのハイスペック

Galaxy S10 SC-01Mのスペック表
SoCSnapdragon 855
RAM12GB
ROM256GB
外部ストレージmicroSDXC(最大1TB)
画面サイズ6.8インチ(有機EL)
画面解像度3040×1440(WQHD+)
バッテリー容量4300mAh
充電端子USB Type-C
OSAndroid 9
アウトカメラ約1600万画素(超広角)+約1200万画素(広角)+約1200万画素(望遠)+ToF
インカメラ約1000万画素
サイズ約162×77×7.9mm
重量約197g

最新世代のハイエンド向けSoCに12GBというPC顔負けの大容量メモリと、文句なしのハイスペック。ヘビーユーザーの使い方にも耐えうる性能です。ヘビーな端末なので耐えられるユーザーかどうか、人を選ぶ部分はありますが。参考までにベンチマークアプリでの計測結果を載せておきます。


(AnTuTu Benchmarkのスコア)

(Geekbench 5のスコア)

このレベルだとあまりコメントするまでもない気もしますが、体感動作もゲームアプリなど含めて不満なし。電池持ちは前世代よりは良いと思いますが、4300mAhと大きめのバッテリーを搭載しているとはいえ、高性能機で画面サイズも大きいことを加味すると実際には特筆すべきほどではありません。用途によっては過信は禁物、日常利用においてはあまり電池残量を気にしなくても良さそう。


ゲーム用途でこれだけのスペックを必要としている人には、Note9から搭載されている「ベイパーチャンバー冷却システム」もおすすめしたいポイント。高負荷が長時間続く用途でも効率よく放熱してくれる優れものです。

UI・機能:画面内指紋認証、ワイヤレスパワーシェアなどのワクワクする機能が多数

UIはAndroid 9搭載機から導入された「One UI」というもので、縦長のディスプレイでも無理に指を伸ばさずに操作できるようにするための工夫が随所に盛り込まれています。これは大画面のNote10+ととても相性が良いUIだと思います。

その一方で、基本設定の部分では「元祖ファブレットとも言えるNoteシリーズでこれか……」とちょっとがっかりした部分も。大画面に何を求めるかは人それぞれですが、「見やすさ」や「動画視聴やゲームプレイ時の迫力ある映像体験」を求める人なら特に引っかかることなく満足できるはず、しかし、大画面を活かして情報量の多い表示をさせたいとなると、ディスプレイ関連の設定範囲が不十分で物足りない印象を受けました。


機能面では、S10と同様に画面内指紋認証のような先進機能、ワイヤレスパワーシェアのような使うかどうかはともかくワクワクする機能まで、さすがGalaxyのフラッグシップモデルという充実ぶり。スペックが高いだけに、PC感覚で使える「DeX」の動作も快適です。


そしてNoteシリーズといえば「Sペン」。いまや手書き入力のためだけのものではなくなってきているので、手書きメモ派やイラストを描く人以外でもぜひ活用しておきたい機能です。Note9から加わったリモコン機能が強化され、写真を撮る際や画面出力機能と組み合わせたプレゼンテーションなどに役立つアイテムに進化しました。ちなみに、ドコモ版には「てがき手帳」というジョルテ製の専用アプリも入っています。

カメラ:画質も使い方の幅もトップクラス

Note10+のカメラはクアッドカメラ。1つは被写体の奥行きを計測するToFカメラなので、基本的には超広角・広角・望遠の3つの画角を持つカメラを切り替えながら撮影することになります。作例をお見せしつつカメラ性能をチェックしていきましょう。以下、作例はクリックして元のサイズで見られます。


(超広角 ※なんだか傾いていてすみません、ド逆光ですしあくまで画角の参考に)

(広角)

(望遠)

まず、3つのカメラの画角はこれぐらい違います。筆者自身はGalaxy S10やHUAWEI P30などトリプルカメラの機種をすでにいくつか使っているので新鮮味は薄れてきているのですが、個人的にはデュアルカメラ以上のスマホの場合、優先順位が高いのは望遠よりも超広角です。

理由を書くと少し長くなるのですが、今時のスマートフォンのカメラって、画質面でも機能面でも高度な画像処理を前提にしています。当然デジタルズームも高度化しているので、望遠レンズをわざわざ積んでもスマートフォンのカメラに期待される範囲の用途・画質で得られるメリットは少ないと思います。一方で超広角、つまり元のカメラより広い範囲を移せるカメラを追加すると、そこは画像処理でどうにかなる部分ではないので(使える場面を限定すればパノラマ機能などはありますが)、純粋にカメラが増えたおかげで、これまで撮れなかった世界が撮れるようになる感動は大きいです。

日中の屋外、光線状態の良い環境では案外どんなカメラでも「当たり」が出てしまうものです。不利な場面ほど実力が見えるというか、夜景を撮っているときが一番「最近のスマホのカメラってすげーな」と思いますね。ちなみに、上の2枚の写真のうち、右側はメインカメラではなく超広角のサブカメラでも撮ったものです。明るいレンズを使っている or 良いセンサーを使っているメインカメラなら夜景もイケる、ではなく、3つのカメラのどれでもしっかり使えてしまうことには驚き。


(通常モード)

(食事モード)

食事モードの仕様は従来通りで、少し明るく鮮やかな発色になるのは他社と同様ですが、同時にぼかし効果もかかるのがGalaxyの食事モードの特徴。擬似的にかけなくてもそこそこボケますし、かえって邪魔な場面の方が多いような気がしているのですが……それはともかく、そのままSNSに上げても良さそうな仕上がりです。

総評:4G時代最後の買い替えを考えるヘビーユーザーにおすすめ


「Galaxy Note10+ SC-01M」は、基本性能、独自機能、カメラ性能など、どこを取っても現時点で最高クラスのスマートフォンです。先進性を感じさせるこれまで以上に削ぎ落とされたベゼルレスデザインや、質感の高さも所有欲を満たしてくれます。

この機種を含む2019-2020年秋冬モデルをドコモが発表した際、「4Gの集大成」という言葉が出ていました。来春には5Gの商用サービスが始まるので、これからもエントリーモデルやミドルレンジでは4G端末が引き続き登場するはずですが、ハイエンドまですべて4G端末のシーズンは今冬が最後。4G時代を締めくくる最後の花となる今シーズンのハイエンド機のなかでも、特に完成度の高いNote10+を選ぶ価値はあるはずです。

まあドコモが集大成扱いしているだけで、Note10+自体は海外ではむしろ5G端末なんですけどね!

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