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「AQUOS R2 compact」レビュー、絶滅危惧種の小型ハイエンドスマホを味わう

半年以上前の機種なのにいまさら……という気もしますが、シャープの「AQUOS R2 compact」を最近買いました。やっぱり好きなんですよね、小型端末。最新機種というわけではないので軽めにレビューしておきたいと思います。


AQUOS R2 compactは同世代のフラッグシップモデル「AQUOS R2」の小型版という位置付けで、SoCはR2と同じ「Snapdragon 845」が奢られています。画面サイズは5.2インチで、今時のアスペクト比なので数字からイメージするよりは小柄。本体の大きさは約131×64×9.3mm、重さは約135gということで、16:9時代なら4.3~4.7インチぐらいの機種のサイズ感です。


SoCこそR2と同等ですが、すべてのスペックをそのままギュッと詰め込むのは無理なのもまた事実。今時珍しいシングルカメラで、背面パネルもデザインの方向性は似ていますがガラスから樹脂にダウングレードされています。ちなみにこの写真の端末は、ソフトバンク版にしかないカラーの「スモーキーグリーン」。陶器のような質感でなかなか悪くありません。


カメラはAQUOS R2やAQUOS zeroと共通。この世代のAQUOSのカメラはチューニング以前に広角すぎるのが難点で、晴天の屋外での風景写真などハマるシーンではきれいなのですが、メシ撮りなど寄って撮りたい場面ではすごく苦しいんですよね……。


右側面には電源キーと音量キー

左側面にはSIMカードトレイ。SIMピンが不要なタイプです

上部にはイヤホンジャック

下部にはUSB Type-C端子とスピーカー

SIMピンなしで爪で引き出せるSIMカードトレイがそのまま付いているというのも、最近では珍しい仕様。microSDも同じトレイに入るので、使い方によっては出し入れが楽で便利かと思います。イヤホンジャックがあるのも美点ですが、スピーカーはモノラルでがっかり。Dolby Atmosがあるとはいえ、正直ごまかしきれない音質です。


この機種といえば、後にAQUOS R3にも受け継がれた「ダブルノッチ」が発表時には話題になりました。インカメラだけでなく指紋センサーも画面に食い込ませた謎仕様ですが、指紋センサーの左右の余白が有効活用されているかというとほぼ無意味なので、素直に上だけノッチで作った方が良かったんじゃないかなあ……という気が。もちろん技術力アピールや大画面に見せる効果はあるのでしょうけれど、このような小型端末を積極的に選ぶ人は実用性重視の人が多いと思います。

中途半端な高さのナビゲーションバーが表示されるので(非表示もできますが完全な無効化は不可)、指紋センサーのスワイプ操作に「戻る」「アプリ履歴」を割り当てた場合はかなり丁寧に操作しないと誤反応の嵐です。


特徴的な下ノッチに目が行きがちですが、上ノッチは前機種(AQUOS R compact)と比べるとインカメラと画面の間の枠がかなり細くなって洗練されています。思えば、R compact→R2と採用されたこのインカメラ周りの形状といい、R2 compact→R3と採用されたダブルノッチといい、R compactシリーズは単なるRシリーズの小型版ではなく、半年後のフラッグシップモデルに向けた新技術の先行導入も結構やっているんですよね。


6.2インチの「AQUOS zero」と並べると大きさはこれぐらい。サイズがこれだけ違う割に、重さは11gしか変わりません、やっぱりAQUOS zeroは軽いです。


5.6インチの「Pixel 3a」と並べるとこれぐらい。Pixel 3aもそう大きい部類ではないので、AQUOS R2 compactが最近のスマートフォンとしてはかなり小さいことが分かるかと思います。


コンパクトでもハイエンドクラスの性能で快適に動くというのはやはり魅力。電池持ちは良くはありませんし、画面サイズ的にゲームなどには不向きでハイエンド機らしい用途すべてに合致するわけではありませんが、根強い支持者のいるカテゴリーです。ただ、R2自体の問題かもしれませんが、機能面ではあまり今時のハイエンド機らしい魅力はないんですよね……基本性能と理想のサイズを追求する人なら満足できるはず。

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