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「e-bike」と日本的「電動アシスト自転車」の違いはどこにあるのか?

e-bikeブームの起点は欧州市場ですが、その一方で日本にはもう30年近くも前から電動アシスト自転車という概念があります。文字通りの意味であれば確かにe-bikeも電動アシスト自転車の一種でしょうし、少なくとも法規制の上では同じカテゴリーに属する乗り物です。

しかし、スポーツ自転車寄りの趣味、余暇を楽しむ乗り物として発展してきた欧州の「e-bike」と、軽快車、いわゆる“ママチャリ”を中心に生活のための乗り物として定着している日本の「電動アシスト自転車」は違う概念であることもまた事実。電アシ先進国の日本だからこそ、e-bikeというものを勘違いされてしまう、魅力が伝わらずスルーされてしまうという残念な面があるのかもしれません。

もちろん、日本でe-bikeが広まらない理由は「オフクロが乗ってるママチャリと同じだろ」という誤解だけが100%かといえばそんなことはなく、本領を発揮できる場所が少ない(特にeMTB)、輪行文化と相性が悪い、そもそも高い、苦労が美徳の国民性……など色々と理由はあるでしょう。今回は難しい話はおいておいて、欧州的「e-bike」と日本的「電動アシスト自転車」の違いを簡単にお伝えしたいと思います。

「電動で楽をする」にもいろいろある


(1993年に発売された初代YAMAHA PAS)

e-bikeも日本の電アシも、人力にモーターの力を上乗せして楽に走れるということ自体は同じです。ただ、その「楽をする」ということの意味、目的が違うのです。

日本の電アシは、端的に言えば「生活を楽にするための道具」ですよね。坂道の多い島国でも通勤、通学、買い物などで楽に出かけられる自転車です。このイメージをそのままスポーツサイクルに投影すると「趣味の自転車にそんなんいらんわ」「中途半端」と思ってしまうのも致し方ありません。

欧州育ちのe-bikeも確かに楽に走れる乗り物ですが、それは「景色を楽しむ余裕を持ってツーリングを楽しめる」「人力では誰もが到達できるわけではない領域を体感できる」というような、趣味や余暇をもっと楽しむ、ストイックな世界に足を踏み入れずともスポーツサイクルの楽しみ方が広がる新ジャンルとして受け入れられたのです。

結局、e-bikeは誰のものなのか


(画像:BOSCHの公式サイトより)

よく欧州でe-bikeがヒットしたきっかけのエピソードとして語られるのが「ロード乗りと初心者の家族・恋人が無理なく一緒にツーリングできる」なんて話。これがまさに良い例で、e-bikeというジャンルを一言で表すなら「誰でも自転車の楽しい部分を味わえる、アマチュアのための最強スポーツサイクル」だと私は考えています。特に、これから自転車を始めたい人には先入観なく受け入れられるでしょう。

そういう意味では、既にストイックなスポーツサイクルの世界に足を踏み入れている人が興味を示さないのはある種当然で、結局は「自転車のどこが好きなのか」でしょうね。ロードバイクの崇高さや精神性に惹かれる人なら眼中にない(あるいは忌み嫌う)存在でしょうし、旅好きや単純に風を切って走る爽快さが好きな人なら何かの拍子に興味が湧くかもしれません。初めてロードバイクに乗った時、それまで知っていた自転車の概念を覆すようなグングン進む走りに魅了された……なんて原体験を持っている人は、意外と乗ってみると「おっ」となると思いますよ。

目的の違いは自転車そのものにも現れる


(BOSCH製のe-bike用ドライブユニット)

さて、ここまではあくまでe-bikeと電動アシスト自転車という概念の話。物は言いよう、と思われるかもしれません。しかし、設計思想や目的の違いは確実に自転車そのものにも現れます。

日本の場合は、実用車向けに近い構造のドライブユニットをスポーツ自転車風の車体に積んだ車種もなくはないので話がややこしいのですが、競技のe-bikeは自転車としてのコンポーネントだけでなく、電動部分もスポーツサイクルのためのものです。

たとえば主流のBOSCH製ユニットの場合でいえば、パワーの強弱もありますが、それ以上に実感しやすいのは「e-bikeのほうがダイレクトにアシストされる」ということ。チェーンではなくクランク軸を駆動するのでレスポンスが良いですし、アシストがかかっている時でもモーターに引っ張られているのではなく自分の足でこいでいる間隔が不思議と残ります。

コレばかりは「一度乗ってみてください」としか言えないのですが、機会があればぜひ。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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