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定番メーカーの迷走?似たようなモバイルバッテリーを乱発し始めたcheero

「モバイルバッテリーを買うならAnkerかcheero」――数年前、Power Plusシリーズやダンボーバッテリー、使いやすい小型モデルなどがヒットしていた頃のcheeroはそんな風に言われる定番中の定番ブランドでした。

もちろん今もファンは多いでしょうし気を悪くしないでほしいのですが(私もPower Plus 4を持ち歩いています)、最近のcheeroってどうも様子が変ではありませんか?具体的にはPower Plus 4から後、特に2019年に入ってからの商品展開に違和感を覚えています。

長い沈黙を破って登場した(肩透かしな)Power Plus 4

主力モデルのPower Plusシリーズは、2014年登場の「Power Plus 3」から長いこと停滞していました。そして2018年10月、4年ぶりに登場した新機種が「Power Plus 4」でした。

待望の新機種はUSB Type-C端子を備え、USB PDにも対応する今時の仕様に生まれ変わった……とは言い切れません。PD対応と大々的にアピールしてもしょせんは最大18W、筐体はPower Plus 3 13400mAhの使い回しなので小型化はされず、バッテリー容量も13400mAhで据え置き。おまけにボディカラーはブラック1色。

「こんなのPower Plus 3.5だよ!」と言いたくなるような中身、そしてデザインのcheeroはどこへ……とがっかりしたファンも多いのではないでしょうか。

今度はわずか7ヶ月でモデルチェンジ、「Power Plus 5」へ

Power Plus 4の売れ行きや反響が彼らにとって納得の行くものだったのかは我々には知り得ませんが、4年以上のロングセラーモデルだった先代から一転、Power Plus 4の後継機はわずか7ヶ月後に投入されることに。

2019年5月に登場した「Power Plus 5」は10000mAhで、容量の近いPower Plus 3 10050mAhと比べて18%も小型化したとのこと。流れの速いこの業界で、3年も前の製品を引き合いに出されても……。

5もスペック的にはそう代わり映えしないのですが、残容量のインジケーターが付いたのは目新しい点ですね。アルミボディーの男らしいデザインはこれまでのcheeroのイメージとは少し違う気もしますが、これはこれで好きな人がいそうです。

ちなみに、5の登場後に旧モデルはどうなったのかというと、Power Plus 4は早々に終了。Power Plus 3(13400mAh)は意外にもラインナップに残っています。

なぜか10000mAhモデルばかりを乱発

ここまでで終わっていれば、「ああ、きっと4がうまく行かなかったから完全新規の5を出したんだな」というだけの話。迷走ぶりに目を疑うことになるのはここからです。

cheeroのモバイルバッテリーはもちろん、Power Plusシリーズだけではありません。しかし、Power Plus 5の登場以降、名前とデザインは違うもののほとんど同じような仕様のモデルが毎月のように登場し始めます。

・Power Plus 5 10000mAh(2019年5月発売、18W出力、3,480円)

・cheero Extra 10000mAh(2019年7月発売、18W出力、3,480円)

・cheero Stream 10000mAh(2019年8月発売、18W出力、3,380円)

・cheero Bloom 10000mAh(2019年8月発売、Type-C経由では15W出力、1,780円)

特に不可解なのはExtraで、スペックはPower Plus 5と同等なものの、質素で見るからに低コストな樹脂ボディーに変わり、それでいて値段は同じというよく分からないモデルです。Power Plus 2までのデザインに少し似ていて、ある意味こっちの方がPower Plusらしいといえばらしいのですが。

Streamは厚さ17mmで一応薄型モデルということになっていますが、ほぼデザインの違いだけ。価格は少しだけ下がっています。

執筆時点での最新モデルであるBloomは廉価版という位置付けで、スペックにも少し変更があり、10000mAh程度の機種には無用の長物な気もしますが、3台同時充電に対応したのが特徴です。

あまりにも焦りが透けて見えすぎるラインナップ

かつてのライバルだったAnkerは今やスマートスピーカーからロボット掃除機まで多岐にわたる製品を手掛け、充電器の分野においても窒化ガリウム(GaN)を用いた小型・高出力のACアダプターなど、先進的な製品を出し続けていますし、AUKEYやRAVPowerも幅を利かせています。これらと直接競合するAmazonが主戦場でありながら、モバイルバッテリーという狭い領域に限っても対抗できる現代的なスペックの製品を投入できずにいるcheeroの状況は苦しいのかもしれません。

もっと過激な人に言わせれば、「パナソニック製セルで無くなった時が終わりの始まりだった」なんて意見がきっと飛び出すのでしょうが、私はそこまでは言いません。値段とスペック、ある程度安心できる実績などを考慮すれば、今はまだ一定のニーズがあると思います。ただ、もし何らかの焦りから代わり映えのしない製品を乱発しているのなら、そんな物より本腰を入れて勝てる製品を作って欲しいなあと、一ファンとしては思うのでした。

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