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よみがえった2画面スマホ、「M Z-01K」をいまさらレビュー

2018年2月にdocomoから発売されたZTE製の2画面スマホ「M Z-01K」が手頃な価格で手に入るようになってきたので、少し遊んでみようかと今更ながら買ってみました。旬の物というわけでもないので、今回はあっさりめのレビューで。

外観


説明するよりも見てもらった方が話が早いでしょうから、まずはこの機種の最大のギミックから。一見普通のスマホですが……。


裏返すとこちらも画面。表と同じような見た目ですが、こちら側にはカメラはありません。


そして開くと2画面に。そう、これは世にも奇妙な折りたたみ式2画面スマホなのです。1枚あたりのサイズは5.2インチ、16:9のフルHDということで最近の機種と比べると控えめですが、開いたときの面積や情報量は圧倒的。


カメラは前面のひとつだけなので、開いた状態で裏面を見ても特に何もありません。閉じた時にぴったりと合うような凹凸がいくつかあり、おそらく1画面で使う時のズレや歪みを抑えて剛性を上げる役割かと思われます。


ヒンジ部分にはさり気ないdocomoロゴ。開閉の感触は小気味良く、フィーチャーフォンの高級機のような仕上がり。


1画面で使うときはカメラのある面が上、ヒンジがある方が右側です(上の写真の向きは間違い)。つまり、指紋センサー内蔵の電源キーは左側に。側面指紋センサーの機種はほとんどが右側なので、左利きにとってはラッキー、右利きにとってはなぜ?と首を捻る配置かも。

全体的に、飾り気のないブラック&スクエアなボディーで試作機のような雰囲気が漂っていますが、この機種を買うようなコアなファンにはむしろこれがそそるのかも……嫌いじゃないです。

1画面での使い勝手


まずは1画面で、普通のスマホとしての使い勝手をチェック。閉じた状態での大きさは約151×72mmと意外と普通ですが、厚さ12.1mm、重さは約226gとかなりの重量級。持ちやすさに気を配っているわけではない角張った形状と合わせて、お世辞にも扱いやすいサイズではありませんが、1画面で使うのはサッと取り出して使う短時間利用のシーンだけと考えるなら、許容範囲ではないでしょうか。

Snapdragon 821にRAM 4GBというそれなりのスペックがあり、ソフトウェアは素のAndroidに近いシンプルなものなので、ガワの大きさに目を瞑ればそう使いにくいものではありません。1画面モードでの難点としては、カメラが片面にしかなく基本はインカメラの状態で起動するので、「カメラアプリを起動→アウトカメラに変える操作をする→本体を裏返す」という面倒な手順を踏まないと目の前にある物を撮れません。

ちなみに、Z-01Kには最近のスマートフォンでは省略されがちなイヤホンジャックがあります。それも旭化成のDSP「AK4962」を搭載しているので音質にはちょっと期待……していたのですが、ドンシャリでこもった感じの極端なチューニングでがっかり。

2画面での使い勝手


2画面での表示形式は、「1枚の大画面として使う」「2枚で別々の表示をする(マルチタスク)」「2枚で同じ表示をする(ミラーリング)」の3通りから選べます。繋げて使えばミニタブレット、分けて使えば2つのアプリを縮小表示せずに同時に使えるというわけです。

表裏ともに実は液晶パネルが片側に寄せられていて、開いた時に中央部分のベゼルを最小限にして表示が分断される違和感を減らすように配慮されています。ただし、品質にバラつきがあるのかそれとも使っているパネル自体が違うのか、発色が揃わないのがもったいないですね。いちおう調整機能はあるのですが違和感は残ります。

左右で別のアプリを使えるのはかなり便利で、通常のマルチウィンドウ機能のように狭苦しい表示になることもなく、2つのアプリを同時にフル活用できます。また、Chromeアプリが2画面モードに対応していて、複数のブラウザをインストールしなくても左右で別のタブを開けるのはかなりポイントが高いです。

2画面モードで残念だったのが、画面の表示サイズの設定。1画面モードの設定とは独立していて、最小にしてもかなり大きい表示にしかならないので情報量を活かした使い方がしづらく期待外れでした。開発者オプションから最小幅を書き換えても、モードチェンジした際に上書きされてしまいますし……。

総評:ハードは理想に追いついてきた、ソフトはもう一歩


Sony Tablet PもMEDIAS Wも現役当時に使ってきたユーザーとしては、いまさら2画面のAndroid端末というだけでは驚きませんが、あの頃思い描いていた夢がようやく少しは使い物になるスペックで形になったという事実には感激。欲を言えばマルチタスクでの利用を考えるとメモリはもう少し欲しいですが、ハード的には及第点だと思います。

それだけにソフトウェアが残念で、この手のキワモノの実力を引き出すための作り込みを放棄してしまったかのようなそっけないソフトウェア、まったく練られていない表示サイズ、やたらと時間のかかるモード切り替えなど、いろいろと不足を感じます。やはりまだ「試作品」だなあ……と、またいつになるかは分からない次の2画面端末に期待するのでした。

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