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携帯代理店が作る異色の“レーシングスマホ”が復活、「Mode1 RR」レビュー

「Mode1」シリーズは、携帯電話販売店「テルル」を展開するピーアップが作ったSIMフリースマホという少々変わった生い立ちの端末です。2016年に初代「Mode1 MD-01P」が発売され、2017年にはテンキー付きの折りたたみモデル「Mode1 RETRO MD-02P」とモータースポーツをイメージしたデザインが特徴の「Mode1 RS MD-03P」が登場。


その後2年ほど影を潜めていましたが、2019年夏、久しぶりの新機種「Mode1 RR MD-04P」が発売されました。すっかりこのシリーズは終わってしまったのかと思っていましたが、まさかの復活……! 分離プラン義務化や低価格機に注目が集まる流れも追い風だったのでしょうか。


コンセプトとしてはMode1 RSの路線を継承しており、基本的にはそれなりのスペックとシンプルなソフトウェアでまとめた平凡なエントリーモデル、しかしレーシングモチーフのデザインで差別化を図ったものです。正直なところ、「速さや性能を連想させるようなレーシングモチーフってハイエンド向きでは?」とややミスマッチな印象も受けますが、そこはバイクショップの展開やモータースポーツへの参戦もしているピーアップらしい個性、ということのようです。


デザインは価格帯を考えると並以上に力が入っていて、カーボン調のバックパネルはかなり細かなテクスチャーで再現されていますし、フレームも素材こそ樹脂ですが、不思議とカスタムパーツなどに使われるような「赤いアルマイト加工」に見えるような絶妙な光沢処理になっています。単純な質感の良し悪しは別にして、無難なデザインが多いこの価格帯の機種としてはかなりの個性派。


2年前の前機種との比較ではそれなりにスペックアップしていますが、国内では採用例の少ないMediaTek製SoCで動作は価格相応。快適な操作はあまり期待できません。参考までに、ベンチマークアプリでの計測結果を載せておきます。


Antutu Benchmarkのスコア

Geekbench 4のスコア

ただ、ソフトウェアは素のAndroidに近くプリインストールアプリも最小限の構成、「割り切った使い方」をしやすい作りなのが救いでしょうか。特筆すべき独自機能はありませんが、エンジン音などの変わった着信音が多数収録されているのはこの機種らしい点です。


カメラは一応デュアルカメラですが、カメラアプリがオート撮影に特化した仕様でモードは静止画・動画の2つだけ、設定項目も極端に絞られた仕様なので、2つめのカメラがどのように使われているのかは使ってみても分かりませんでした。画質は……過度の期待は禁物です。

低価格機ではまだ普及率の低いUSB Type-Cを採用し、さらにワイヤレス充電にも対応している点は好印象。また、micro SIMとnano SIMのどちらでも使える仕様は現行機種では珍しいですね。指紋センサーは側面にあり、電源キーと一体になっています。


総評としては残念ながら、万人に勧められる機種ではありません。「レーシングスマホ」というコンセプトに惹かれて買うには中身の作り込みが寂しいですし、人を選ぶスペックです。逆にシンプルさを売りにするならレーシング要素が蛇足となってしまうわけです。

元々大ヒットを狙う機種ではないにせよ、素直な作りをすれば販売店ならではの知見を活かした物を考えられるでしょうし、自社の店舗網を活かした販売ももっとできるはず。モータースポーツ事業をアピールせよというオーダーがあったのか、あるいは担当者の趣味なのかは分かりませんが、最大の特徴である「レーシングスマホ」というコンセプトこそがこの機種の枷になってしまっているのではないかな……というのが率直な感想です。

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