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Galaxy S10 パッケージ

「Galaxy S10(SM-G973F/DS)」レビュー。超広角カメラと画面内指紋センサーに感動

ここ数年、メインのスマートフォンとしては毎年Galaxy Sシリーズを買い続けています。モバイル大好き人間の私は気になった機種は片っ端から買って試しているのですが、それでも他の機種と比べて見劣りせずにお気に入りの機種として1年間使い続けられるぐらい、性能・機能に魅力のあるシリーズだと感じています。

今回ご紹介する「Galaxy S10」を買ったのは5月の頭。この記事の掲載時点で2ヶ月ちょっと使ってきた機種です。もちろん昨年のS9からの買い替えなのですが、毎年頭を悩ませるのが「Snapdragon搭載の国内版を買うか、Exynos搭載の海外版を買うか」という問題です。

正確に言えばアメリカ版など日本版以外のSnapdragon搭載モデルもありますが、個人的には興味なし。というのも、例年はSoCだけでなくカメラやオーディオ周りの搭載デバイスにも違いがあるので(※カメラに関しては今年は予想が外れました)、お膝元の韓国で発売されるものと同じExynos版の「真のGalaxy S」としての実力に惹かれているからです。なら韓国版を買えばいいって?いや、それは韓国語以外のロケールに変更しきれない部分があったりと何かと面倒なんですよ……と、話が長くなるのでまたの機会に。

通信周りの仕様やおサイフケータイなど日本版を買いたいと思う部分もあるので毎年悩むのですが(昨年のS9はau版を買いました)、今年は個人的には本命のExynos版を選んでみました。docomo版の発売日を待てなかった、という理由もあるのですけれどね。

外観:「全画面」のインパクトは予想以上

Galaxy S10 前面

S8/S9の画面サイズは5.8インチでしたが、S10は6.1インチ。これだけで比べるとかなり大きくなったように見えますが、実はボディーサイズは縦横に2mm程度伸びただけです。上下のベゼルが削られて無駄のないボディーになったので、手に取ったときのサイズ感はS8やS9とそれほど変わらず、画面だけが大きくなった感覚。もともと操作性重視で小さい方のモデルを選んできた筆者としても、これなら許容できる、むしろ歓迎です。

Galaxy S10 インカメラ

ただ、その「全画面」を実現するために、ディスプレイに穴を開けてインカメラを配置する「パンチホール」という醜い方式が選ばれたのは残念です。切り欠き式の「ノッチ」にすらなかなか手を出さなかったメーカーがなぜ……。

このしわ寄せである中途半端に右に寄った太いステータスバーは慣れればまだなんとかなりますが、フルスクリーン表示のアプリではやはりパンチホール(アプリによっては黒帯)が目障りです。

また、フルスクリーン表示ではない場面でじっくり観察すると、ステータスバーとメインの表示領域の境目にかかるかかからないかの中途半端な位置にカメラの下端が来ていて、一度気になり出すとモヤモヤします。とても細かい話ですが、こういうところまでビシッと整ったデザインができれば格好良いのになあ……と思ったり。たとえばAppleなんかは、ノッチで物議を醸したとしてもディスプレイの角と本体のアールを揃えてくるあたりがキレイですよね。

Galaxy S10 背面

ガラス張りの背面を見ると、画面内に移動した指紋センサーが姿を消し、カメラは3つになって横並びに。ちょっとSシリーズよりNoteシリーズっぽく見えるデザインかも、と感じるのは私だけでしょうか。

ちなみに、私が購入したカラーは国内未発売の「Prism Green」。S10に緑色があると知った時はS6 edgeを思い出して懐かしくなりましたが、実際は色合いがだいぶ違って、青緑という感じですね。他機種で言えばarrows NXっぽい色合いです。

Galaxy S10 右側面
Galaxy S10 左側面

右側面には電源キーのみを配置、左側面には音量キーとBixbyキーがあります。ちなみに、「国内版はBixbyキー無効化不可、海外版は可能」というのは今年も同じなのですが、なぜか「Bixby Voiceを使えない国ではBixbyキーを無効化する設定に入れない」というトラップが追加されています。私が購入したモデルはアフリカ版ですが、どうやっても無効化の設定に入れませんでした……。どうしてもという人は非公式アプリなどで。

Galaxy S10 上部
Galaxy S10 下部

SIMカードスロットは上部にあり、下部にはUSB Type-C端子とイヤホンジャック。今回もイヤホンジャックを廃止しないでいてくれたのは嬉しい限りです、Exynos版のGalaxyはDAC別載せでなかなかいい音しますから。ちなみにスピーカーはS9に続いてステレオスピーカーで、Dolby Atmosに対応しています。

スペック・動作:動作は文句なし!電池持ちはもう一歩

Galaxy S10(SM-G973F/DS)のスペック表
SoCExynos 9820
RAM8GB
ROM128GB/512GB
外部ストレージmicroSDXC
画面サイズ6.1インチ(有機EL)
画面解像度3040×1440(WQHD+)
バッテリー容量3400mAh
充電端子USB Type-C
OSAndroid 9
アウトカメラ約1600万画素(超広角)+約1200万画素(広角)+約1200万画素(望遠)
インカメラ約1000万画素
サイズ約149.9×70.4×7.8mm
重量約157g

最新のハイエンドSoC「Exynos 9820」にRAM 8GB、動作は日常利用でもゲームでも文句なしです。ただ、電池持ちは昨年同様やや頼りないですね。スペックの参考に、ベンチマークアプリでの計測結果を載せておきます。

Antutu Benchmarkのスコア
AnTuTu Benchmarkのスコア
Geekbench 4のスコア
Geekbench 4のスコア

機能:「画面上で指紋認証」は未来だ

ソフトウェアの面で変わったことといえば、まずは「One UI」に触れておかなければなりません。旧機種にもAndroid 9へのOSアップデートとあわせて提供されていますが、大画面、特に縦方向にボディーサイズいっぱいまで画面が広がった端末でも無理に指を伸ばさずに操作できるように作り込まれていて、まさにS10のための新UIといえます。

Galaxy S10 画面内指紋センサー

そして、やはり新機能で目を引くのは画面内指紋認証。日本でもOPPOやファーウェイから画面内指紋認証の機種が発売されていますが、これらは光学式のセンサーをディスプレイの裏に組み込んでいます。Galaxy S10の指紋センサーは超音波式で、光学式の画面内指紋認証と比べると指の表面の状態に左右されにくいというメリットがあります。

ワイヤレス充電には何世代も前から対応していますが、S10は他の機器への給電もできます。「ワイヤレスパワーシェア」というこの機能を日常的に使うことは少ないですが、ワイヤレス充電対応のイヤホンやスマートウォッチを持っているのなら、出先で「充電忘れた!」なんて時に意外と重宝するかも。

カメラ:超広角カメラが楽しい!

Galaxy S10 カメラ

昨年のS9世代では、S9はシングルカメラ、S9+は望遠付きのデュアルカメラという差異がありました。サイズ重視でS9を選んだものとしてはちょっと残念なポイントだったのですが、今年はS10/S10+ともに超広角+広角+望遠のトリプルカメラになりました。

事実上の最上位モデルであるS10 5Gはカメラ構成が違うので、今年も無印Sシリーズに最良のカメラが積まれていないことに変わりはないのですが、それでも、身近な2択である無印とプラスの間でカメラの差が無くなったのは選びやすくなったなと思います。

ナイトモードの作例
ナイトモードの作例
食事モードの作例
食事モードの作例

画質は納得の仕上がり。今時のハイエンドモデルらしくレベルの高い写りです。オートではあまり「盛らない」傾向があるので、食べ物は「食事」モードを積極的に使っていくのがおすすめです。

超広角カメラの作例
超広角カメラの作例
超広角カメラは屋内でも活躍
超広角カメラは屋内でも活躍

個人的には、デュアルカメラ時代は「広角+望遠」か「広角+超広角」の2択なら迷わず望遠派だったのですが、S10を使い出してから超広角の楽しさに目覚めました。「メインの広角カメラとそのおまけ」ではなくどのカメラでもしっかり撮れるからこそ、それぞれの画角の良さを存分に味わえ、表現の幅が広がります。

総評:期待を裏切らない10代目

Galaxy S10 パッケージ

S8のマイナーチェンジという雰囲気が漂っていたS9と比べると、10代目という節目でもある「Galaxy S10」は、直近の2世代で築いた新しいGalaxyシリーズのイメージを踏襲しながらも、しっかりと未来を感じさせるフラッグシップモデルらしい魅力を持っていると感じます。今年は「買い」の世代です。

画面に穴を開けてでも追求した全画面、大抵のシーンには対応できてしまうトリプルカメラ、未来感のある画面内指紋認証、少し不思議な体験ができるワイヤレスパワーシェア。どこまでが本当に使う機能なのかを考えるよりも、「よく分からないけどすごい」というこのワクワク感こそ、ブランドの方向性を示すフラッグシップモデルに必要なのではないでしょうか。

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